鬼谷子: 100%安全圏から、自分より強い者を言葉で動かす技術
高橋 健太郎 (著)

営業研修で自分の好きな本を買ってきて、それを上司に売ってみる、そんな研修を受けました。まぁ、これはチャレンジするもしないも自由ではあったんですが。
まぁ、研修というか、方法は自由でプレゼンシートみたいのを作ってもいいし、口頭で話してもいいし。金額も上乗せしてもいいし。まぁ、特に制約はありません。
ということで、ひっさびさに本屋に行って色々と探してみたわけですが、ビジネス書をズラ~っと眺めて見てみたら、この本がありました。

「鬼谷子」(きこくし)と読みます。
鬼谷子は古代中国の春秋戦国時代に活躍した蘇秦や張儀の師匠と呼ばれている人で、言わば弁舌のプロですね。
この鬼谷子は実在したかどうかははっきりとわからない人物で、彼の説も具体的にどういったものかわからない、と言われていましたが、それが出版されたみたいで読んでみました。
(詳しくは買って読んでみてください)

先ずはマインドマップ

いつも通り、先ずはマインドマップで本の内容とどういった切り口にまとめるか、を考えました。切り口は鬼谷子に記載されている切り口になるわけですが。
で、僕は、プレゼンシートで攻めてみよう、と。それも、いつも僕の提案書は長いので、A4用紙1枚にまとめてみようか、と。
この本は「人を説得する方法」を記載してあるわけですから、ってことはこの本に書かれていることに従って書いてみよう、
ということで、鬼谷子で説明されている内容に従い、相手の見極めや構成を書き出していきました。

シートの内容

まず、書籍の説明から書きまして、これはAmazonの説明をそのまま拝借。
次に、この本を読んだ所感を記載しました。

【所感】

会話における話法ややり取りの仕組み、至極当然なことが書かれており、違和感や疑問点を感じずに読んでいける。
ということは2000年以上昔から人やそのコミュニケーションの性質はかわらず、会話の本質は何も変わっていないことが窺える。

本書における、鬼谷子の教えに従い、この書籍を推薦したく、以下に本書の概要と推薦の理由を記載

具体的には「象比」と「飛箝」の術で相手の本心をえぐり出す

    象比とは

  • 共感と同調で相手の課題を導く
  • 相手の言葉に網を張り巡らせる
  • ふと漏らした言葉に本音がある
    飛箝とは

  • 硬軟合わせ技で相手の課題を引っ張り出す
  • 話すと黙るで会話の主導権を握る
  • 相手に応じて「おだて」と「そしり」を使い分ける

内揵「つながり」を利用し、心の内側から説得する

    内揵とは

  • 陰陽を用いた説得の技法
  • 相手によって説得の仕方は変わる
  • 相手との結びつき

感情の「割り符」で人を動かす技術 揣摩の術

  • 心のツボを刺激して人を動かす術
  • 揣の術:量権で周囲をはかり、揣情で内府をはかる
  • 摩の術:内府を動かす具体的な方法、摩の十法
  • みずからを揣情し、先定しなければ、心を忘れて道を失う

100%安全をはかる身の処し方、去就の操り方

  • 忤合:人間関係の基本原理であり、力学
  • 抵巇:我が身を危うくするものをいち早く察知するための術

会話の本質

人に説くことは、人を助けること。
先にあるのは相手の「○○したい」「○○しなければ」という思い(これを事という)であり、こちらが相手に向かって話をするのは、そうした思いを明確化し、具体化し、現実化するため。
相手の「事」を利用して、こちらの「謀(策)」のために相手を動かすもの。
つまり問題解決(ソリューション)であり、上司の言う、「相手のことを考える」に通じる。

本書を私から買い取る、ではなく、社員全員がこの書を読み、会話を勉強すべき、と思います。

結果

会社の内部で起こってる事柄や取り組むべきことに対してこの書籍が有効か、ということを説く内容にしたわけですが(具体的な内容は記載出来ないので)。
結果、買ってもらうことは出来なかったのですが、途中までは「買いたい」と思わせることは出来ていたようで。

今回、敢えて「最高レベルに難しい」という触れ込みの上司にプレゼンしてみました。これも鬼谷子の教えに従った部分でもありますが。
相手との共通点や抱えている課題の解決に、この本はいかがでしょうか?と。そして、詳細を伝えないことで興味を持たせよう、と。あとは歴史好きなところでもつついて、話をしました。
時間にして5~10分ぐらいですかね。

本当の狙い

負け惜しみ、ではなく。これ、裏の狙い、というか本当の狙いは別にありました。
確かに研修の内容は「本を売る」ですが、別に僕はこの本を手放す気はなかったし、読んでみて手許に置いておきたいと思った。買うなら僕からでなく書店で買ってよと思っていたので。
(ただ、それを言うと研修の意図からは外れている、と言われるので言わないですが。)
それより、これを勧めることで社員同士の会話の質を向上させたほうがいいんじゃないですか?と問いかけたかった。平社員である、僕がそれを気にしてるぐらいですよ?と。

  • 言葉が足りず、会話の質を向上させたい
  • それを僕が言うのではなく、僕はそれを言いやすい相手に言って、それを実行するチカラがある相手にその上に提言させる(忤合と抵巇)
  • 一筋縄で行く相手ではないのは十分承知の上のため、ダメ出しが出る→それを聞き、実際の仕事(提案書)に活かすのと、自分のチカラを量る
  • それにチャレンジした、という事実があるのとないのでは大きく違う

これらの狙いが本当のところ、というか、今の僕の実力と状況ではここが落とし所だろうな、というのがあったので、予想通りだし、狙い通りですかね。
上が更にその上に提言するかどうかはわかりませんけど。

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