ふと思ったので書いてみようかな、と。
僕はフリーランスのディレクターをしています。
ちょっとしたデザインやちょっとしたコーディング(謙遜じゃなくて本当にちょっとだけ)は出来ますけど、主には企画やプラン考案、プロジェクト管理がメインです。
そうなると、僕一人では制作はできないので、クライアントから制作の依頼が出た際に、依頼された内容を精査して、どの規模で、どのくらいの予算で、どういった職種のメンバーを集め、そのなかで誰に依頼をかけるか、都度、メンバーを考えます。

メンバーは一緒のときもあれば、予算に依っては変更したり、他案件を請けてるからということで断られたり、得意分野/苦手分野で変更したりその状況は様々です。
その時の状況というか、思ったのが、「あ、これってRPGで冒険者集めてパーティー組んでるみたいだな」ということ。いろんなフリーランスを集めてチームを作って案件をこなし、報酬を得る。そして次の案件をこなす、その案件の内容によってメンバーを変えるときもあれば、同じメンバーで臨むときもある・・・みたいな。

RPGの世界風に考えてみる。

例えるなら、各フリーランサーは「冒険者」でしょうか。
冒険者にも職業は様々あります。戦士、魔法使い、弓使い、修道僧、僧侶、盗賊などなど(これにエルフやドワーフ、ホビットなどの種族とかもありますが、それらを話に交えると話がどんどん複雑化していくので、今回は種族についてはなし、で)。これらはデザイナー、コーダー、プログラマー、エンジニア、ライター、カメラマン、ディレクターなどなどの各役割というか、肩書になります。
冒険者ギルドは「シューマツワーカー」や「クラウドワークス」、「ランサーズ」、「@SOHO」といったクラウドソーシング系のサイトになるでしょうか。貴族や街や村、国(各企業など)からの依頼が掲示板に貼られ、それらの依頼をこなし報酬を得るために報酬をどう分配するかを事前に伝え、冒険者同士でパーティー(チーム)を組んでで依頼に臨みます。今回は戦士、僧侶、魔法使い、修道僧(どの職業がデザイナーでコーダーで、という例えはやめておきます。話がずれるので)のパーティーで臨みます。
案件がサイトリニューアルだとしたら、ディレクター、デザイナー、コーダー、カメラマンかなぁ・・・システム構築や取材がなければ。

案件の中身

今回は僕(ディレクター)をリーダーに、僕が案件を請けて、僕がチームを率いていく体で話を進めていきます。
案件はダンジョン捜索としましょうか。ゴールはダンジョンの奥深くにある秘宝を手に入れること(例えばWEBサイトリニューアルの納品)。
まず、ダンジョンを調べて事前情報を手に入れます。依頼主が聞いているダンジョンの事前情報、依頼主からの要望、依頼主が聞いている噂など。ダンジョンの階層は全部で階層がどれくらいあるのか、隠し階層はあるのか、マップが手に入らなければ自分でマップを作ってダンジョンの全体を把握します。そして、依頼主の話をまとめ、メンバーに共有し、ダンジョンの攻略に向けて、計画やルールを決めて何が目的でどこをゴールにしているか、攻略目標時間(納期)を伝え、冒険のためのアイテムを揃えたり、準備をしていきます。

案件クリアに向けて冒険スタート

準備は万端、さぁ、いざ冒険へ。
いざ、ダンジョンに入ってみると、最初は依頼主から聞いていた通りの内容で、何事も問題なくダンジョンを進んでいきます。ダンジョンには様々なトラップ(前回構築時のバグなど)やモンスター(進行途中で追加されたクライアントからの要望など←例えがひどいw)が出てきます。トラップを回避したり発動しないように対処しながら、モンスターを倒し(要望をこなしたり、断ったり)てどんどんダンジョンを進んでいきます(プロジェクトを進行)。

中ボス登場(今回はWEBサイトリニューアルの納品を目標として)

ダンジョンの各階層(プロジェクトにおける各マイルストーン)には中ボスが控えており、これは事前に聞いていたし、予想もしていたので、ある程度準備はしているが、その「強さ」は実際に戦ってみないとわからない。経験豊富なベテランがチームを率いている場合は、ダンジョン内のモンスターのレベルがどのレベルにいるのか(クライアントの質)、で「ここの中ボスクリアは厄介かも」と察しがついたりしますので、中ボスクリアに向けて事前に能力向上や身体強化の魔法をメンバーにかけていきますw

中ボス(今回はデザインチェックにします)は依頼主から聞いていたとおり、一般的に通説とされる弱点(コーポレートカラーに沿った色使いやトレンドのデザイン)があったので、とりあえず有効な攻撃が出来ています(ここでいう弱点はアンデッド系における聖系の攻撃や、火系における水や氷系の攻撃という一般的な弱点と認識ください)。ここで、メンバーの力量が足りていないと(デザイン力が弱いとか、ディレクターの事前調査が甘いとか)苦戦しますし、下手すれば全滅して前回のセーブポイントまで戻ります。

中ボスクリアしてどんどん奥地へ

中ボスもクリア、どんどん階層深くまで進んでいきます。
この頃になると、ゴールまでの達成時間も気になってきます。目標時間を超えてしまうと報酬が減らされてしまう可能性もあるので少々焦りが出てきます。出てくるモンスターもレベルが上がってきていてかなり強敵ですし(デザインやいろんなことを決めてプロジェクトが進行してきているのに、思いつきで何か変更要望を出されたり 例:グローバルナビへの内容追加、サイトマップの変更、コンテンツの見直しとか)、「こんなの回避出来ないよ」というトラップがあったり(想定外のブラウザをクライアントが使っていたとか、実はシステム連携があったとか)、そういったことを回避したり倒したりして(予算の追加交渉も含みます)進んでいきます。

大ボスクリア

ボス戦に向けて準備をして、ダンジョンで拾った神アイテムを身に着け、魔法で強化/向上して大ボス(最終チェック)に臨みます。ダンジョン内で様々なイベントをこなし、ボス戦クリアのための条件もクリアしています。
多少の攻撃(微修正など)を喰らいますが、こちらは準備万端です。事前にどんな攻撃が飛んでくるか、ダンジョンの傾向や出てきたモンスターの傾向でどんな大ボスが控えているか察しがついています。みんなで協力してなんとか攻撃を回避したり、盾で防御して大ボスを倒します・・・長かった、あとは秘宝を手に入れて戻るだけだ・・・。

な・・・んだ・・・と?

大ボスを倒したはずが、実はそれは大ボスではなかった・・・実は更に強力な真の大ボスがいたのだ!!!!(ハドラー倒したのにバーンがいた、みたいな)
そのボスの名は「社長(または会長。僕の冒険記録には社長の奥さんという裏ボスもいました)」。大ボスを倒した(最終チェッククリア)にも関わらず、ここで最終極大魔法「なんか気に入らない」を発動してきたり、『これは新規要件ではない、修正だ』と圧倒的な強さで冒険者チームを攻撃してきます。
ここで全滅して前回のセーブポイントまで戻る(ゲームと違うのが、この裏ボスの要望に依ってはセーブポイントが前回どころで済まない可能性があるのが非常に怖い)可能性もあり、また、倒したはずの中ボスを裏ボスがどんどん生き返らせてしまうことがあり、そうすると「もうやめて!とっくに彼のライフはゼロよ!」 のメンバーが出てきてダンジョンのなかで失踪するメンバーが出てきてしまうことも。

それでも、なんとか裏ボスを倒し、冒険者チームは無事、依頼を果たしたのだった・・・。

まとめ

最後、簡単にまとめてしまいましたが、大体こんな感じでしょうか。そしてなーんとなくで書いています。決して具体的に起きた事例を思い返して書いたわけではありませんw
各冒険者、それぞれ同じような経験をされているでしょうが、誰一人として、全く同じダンジョンはなく、似たようなトラップ、似たようなモンスターを倒していますが、レベルも違えばトラップの発動条件も違っていたり、ダンジョンの規模も違います。各冒険者それぞれに独自の物語がありますよね。

上記の話の場合だと、事前準備中に裏ボスの存在をつきとめておく(組織図作って、誰が決済者かはっきりしておく、契約書を結んでおくなど)、中ボスクリア時に生き返らないように封印(マイルストーンごとにきっちりと決済取っておくなど)が必要だった、ということになりますが、もちろん、中には「神クラス」な裏ボスがいたりして、そんな契約書や約束事など関係なく一瞬にして全てを灰にする神の一撃「そんなもんは知らん」が落とされることも(まぁ、現実にそんな一撃が落とされたら契約書で戦いますが)ありますけどね。

クライアントの目線に立った場合

クライアントの目線に立った場合、どの冒険者がいいか、なんてのはさっぱりわかりません。
そりゃベテランに頼むのがいいだろうけど、冒険者の見た目に騙される場合もありますし、クライアントたちは冒険者の経験がないのでわかりません。そしてベテランは高かったりするので、依頼料をケチると経験が浅い冒険者チームしか集まって来ず、チームが全滅したり、中途半端な結果しか得られないこともあります。

冒険者同士でもわからない

冒険者同士でも、レベルが数値化されているわけではないので、この冒険者とパーティーを組んでいいかどうかというのは経験則でしか判断できません。「出来る」って書いてあるけど、全然出来ない人もいますし、その逆もあります。今までにどんな「依頼」をこなしてきたのか、どんなダンジョンを生き抜いてきたのか、何回ダンジョンをクリアしてきたか、などを事前に聞いたりしながら、分配される報酬を交渉しながらパーティーを組んでいきます。そして、このパーティーを組めてよかったと思うとまた同じパーティーを組んだりします(相手が忙しいと断られたりしますし、報酬が合わなかったり、新たな冒険者を見つけたいということで新たなパートナーを探したりもあります)。

冒険者のなかには「ジョブを兼任」出来る方もいます。

言うなれば「魔法剣士」的な。
「今回はディレクターだけど、デザイナーもできるよ」、「デザイナーだけど、コーディングもしますよ」、といった方々で、こういった冒険者さんの存在はかなりありがたいです。ひとつの職種をずっと続けてる方も勿論貴重な存在ですが、魔法剣士さんはいろんな戦い方が出来るので、戦略に幅が出ます(とはいえ、魔法剣士さんでもレベルが低い魔法剣士さんではダメですが)。なかには、ディレクションもデザインもコーディングも全て出来ます、という「オールラウンダー」の方もいたりして、ゲーム的に言うと戦士級のパワーを持ち、魔法使い並の魔力と魔法を使いこなし、僧侶と同じく回復系の魔法も使えて、肉体は鋼のように屈強・・・もはや「勇者」ですね。勇者はひとりで案件依頼をクリアすることも可能です(ただ、一人ではあるので、どうしても物理的に手数が足りず時間かかる場合はありますが)。

最後に

何が言いたいのかまとまらないまま書いていますがw
僕はディレクターやってますが、少しだけデザインやコーディングが出来ます。ディレクターが戦士で、デザイナーが魔法使いでという設定をしてしまうと「違う、そうじゃない」という意見もありそうなので、そこは断定しません(というかみなさんそれぞれで戦士はいうなればディレクターかなー、デザイナーかなーと想像していただければ)。うーん、まぁ、戦士だけど、1個だけ低位魔法「ファイア」が使えて初期回復魔法「ヒール」が使える、というところでしょうか。そのため、僕が制作案件をこなす際には(予算や内容に依ってですが)必ずパーティーを組むようにしています。
そして、いつか、冒険者が集まる「ルイーダの酒場」的なサービス(こんなWEBサービスはどうだろうか?)を作れたらなぁ・・・(なんとなくのぼんやりですが)なんて思っています。僕はルイーダ酒場のマスター・・・って書くと、あれか、ルイーダの酒場のマスターはめっちゃきれいなオネーサンか。

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