前に書いたことがあった・・・かもしれないけど。
新人の営業さんの研修にちょうどいいんじゃないかな?ってのがあるので、
ちょっとそれをご紹介、というかご提案。

展示会というか、よく大きなメッセとかあるじゃないですか。こっちだとメッセナゴヤですかね。
出来れば異業種集まるようなもののほうが面白いんですけど、大手メーカーの発表会や専門的な展示会でもいいです。
そこに新人営業を行かせて、自社と取引が発生したら面白そうなブースを客として回らせてみる。
これはそんなにストレスもなく、でも実際に営業マンのいい研修になると思ってます。
まぁ、出展側にはそんなにメリットはないですけどw

なんでそんなことを思ったかというと、僕が以前いた会社は年に2回、僕がいた会社が主催となって展示会をやってました。
僕はその展示会運営チームのリーダーです。

その展示会は当社(その当時、僕がいた会社)の仕入先メーカーに出展してもらい、そこに当社のお客さんを招いて、即売会(といっても伝票上のやりとりでしたが)をやってました。
クローズタイプの展示会ですね。

ただ、年2回で何年もやってると大体マンネリ化してくるし、出展メーカーも売上が悪かったら出展しなくなります。
そこで、出展してくれそうな企業さんやお店さんを早めに目星つけて声をかけて行く必要があるのですが、普段の取引しているところはなかなか出てくれないし、
お客さんももう過去に出展しているところだからそれほど反応は良くない。だからマンネリや売上増加、今後の取引を鑑みで、新規の仕入先を見つけておく必要がある。

そこで、目をつけたのが、メッセナゴヤという色んな業種の企業さんが出展する展示会や商社がやってるような同じような取引先との仲介をするような即売会。
会場を回って、ウチの展示会に出てくれたらお客さんの反応良さそうだなーとか、家族連れだから、ファミリーに受けそうな商材ないかなーとか、
視点は「この企業さんが出展してくれたらお客さんは喜ぶか、購入するだろうか」という視点。これで探してみる。

何が簡単って、通常こういった出展メーカーさんを探す場合、どういった商材を扱っているのか、誰に連絡をすれば出展の話が出来るのか、
決済は支店で出来るのか本社じゃないと出来ないのか、などを電話で確認したりが必要で、結構時間がかかる。それに説明で伺う時間も結構ある。
そして、そもそも、そういったところに出展しない、という回答もある。

だけど、こういったところだと、企業のブースに行けば、出展側から話かけられなくても話かけられる。
名詞交換を求めなくても、向こうから名刺交換を申し出てくる。当然の話で、彼らはブースに来る客は全て
「自社製品に興味があって訪問してきた客(将来的にはお客になるかもしれない見込み客)」という認識になるだろうから、一所懸命に自社製品の紹介やPRを始める。
これによって、出展候補の企業の情報や商材、売り方、売り口上なんかもすぐ聞けるし、そもそも展示会に出しているんだから、
その企業には「イベントに出展する文化・風習がある企業」だから、出展へのハードルが低い。

ある程度、話を聞いたところで、実は自社主催で展示会をやっていて、出展する企業を探してる、と伝えて展示会の規模や意図を伝えると大体話しは聞いてくれて、出展を検討してくれる。
この場合は、こちらが客だから、向こうもその展示会に出ることやウチの仕入先になることで売上が上がることが予想されるため、そんなおかしな対応はしてこないし、展示会のブースでそういった販売・広報活動をやっているのは割りとその会社で中心人物だったり、能力が高い人物だったりする。新人の営業だった場合、そういった他社のやり手営業マンの口上や話の構成、対応力なんかは、かなり勉強になるはず。
3~4回行って、新規出展企業獲得率は100%だった。もちろん、出展した企業で散々な結果になった企業さんもいたが(その節はすいません)、出展料を大幅にクリアする企業さんもいた。

こちらから話しかけて名刺交換をお願いするのを強要(未だにやってるとこあるのかな?名詞をかきあつめてくるような営業研修をやってるようなとこ)よりは実際に取引のネタだったり、売上につながっていくはずだし、やってる本人たちもストレスがない(はず)。

逆に、出展企業がクライアントになりそうな場合もある。その場合はちょっと難しい。
最初は客と思って話しているが、名刺交換してしまえば、相手はこっちが客となり得るのか、自分が客側になるのかが大体見当ついて、自分らの客にならない、寧ろ自分たちが客となり得るとわかると、相手してくれない。下手すると、その出展企業の営業妨害だし、最悪、運営側に話が回って会場から追い出されてしまう。

そういう場合は名刺交換だけさせてもらって、「色んなブースを回ってるんですよ」ということで挨拶だけして帰ってくるのが無難。
後日、名刺にメールアドレスがあれば、後日、丁寧なご対応をいただきまして、という旨のお礼のメールを送り、商談を持ちかけたい場合はアポイントを取って、上司と一緒に訪問するように持っていけばいい。
これにしても相手から話かけてくれるので簡単だし、見込み客の名刺が集められ、そのお客がチカラを入れている製品やサービスの資料が手に入るし、質問とかも対応してくれたのであれば、より、その見込み客の製品やサービス、動向についても知ることが出来る。その製品やサービスの問題点がわかれば、そこにこちらが(言葉は悪いが)つけ込むスキがあるかもしれない。

僕がやったのはたまたま、そういう持ちかけ方が出来る商材だったから、というのが大きいですけど、太陽光発電装置の架台を設置するためのコンクリートブロックだった。
太陽光発電のパネルを架台に設置するにあたり、その架台をビルの屋上とかに設置するのだが、その架台は直接ビルに取り付けるわけではなく、建物とその架台の間には「置きブロック(呼び方はそれぞれ)」というものを設置する必要がある。当時、まだそういったものが出回り始めたころで、僕らは商社だったけどお客さんからの要望で自社開発したブロックを持っていて、それを売り込み始めた頃だった。

東京の会場で「太陽光発電システム」にまつわる様々な製品やサービスの展示会がある、ということで、僕らは勉強や市場調査のために研修に行くことになりました。
「太陽光発電システムの製品を売り込むイベント」ですから、当初は営業するつもりは全くなく、ただ、話のネタとして一応持っていこうと思ってそのブロックのパンフを30部ほどカバンに入れていった。
同業他社が出ているイベントですからね。その会場でおおっぴらに営業したら当然迷惑行為ですし、相手も設置工事をする会社ではないので、対象にはならないだろう、と踏んでいました。

会場ついて、色々と回っていたのですが、架台を開発しているメーカーのブースに行ったところ、ふと思ったのは、僕らがブロックを売るにあたって、たまにお客さんに聞かれていた「ブロックの他に架台も扱ってない?」とか「なんかいい架台ない?」というお客さんからの問いかけ。ここで思ったのはお客さん(我々のお客さんは主に工事屋さんだった)は架台も探しているという事実。そこで架台メーカーのそのブースの方に話しかけられた際に「架台を探している」という旨を伝えたところ、当然、ものすごい勢いで製品説明が始まった。

ただ、こっちはそのブロックを売るにあたって、営業ツールとなるパンフやページを作っただけだったので、あまり話の内容がわからないし、つっこんだ質問も出来ない。
そこで、「ブロックを作ったところに架台も扱ってないか?って聞いてくるってことは、架台を作っているところにブロックを聞いていることもあり得る」と思ったので、思い切って「いや、実はウチでもこういった商品を開発していて、販売したところ、架台も聞かれることが多くて・・・」と伝えたところ、その架台メーカーの方も「ウチも置きブロックの話はチョコチョコ聞かれます」という回答をもらった。
そこで、とっさに嘘ではないが、ちょっとニュアンスを変えて、架台と置きブロックのセット販売や、お互いに商品を紹介しあえないだろうか、ということを考えてる、今日も一緒に組める架台メーカーさんを探しに来た、と自分の立場を「客」に切り替えて話をしてみた。反応は良かった。早速、名刺交換して資料をもらい、こちらも持ってきたパンフを渡して、製品の説明をしてみた。

その日は、そのブロックを開発した部長と一緒に研修だったので、早速その手法を伝え、会場側に迷惑をかけないように、架台メーカーを回った(ちゃんと会社側に報告出来るように他のブースも回りましたけどね)。
架台について聞かれているのは事実だし、架台を探しているのも嘘ではない。実際に他の架台メーカーのブースで同じ質問をしてみたところ、他も「ブロックのことを聞かれる」という回答があった。ということで、その日は朝から会場入りしたのだが、出展している架台メーカーのブースを全てまわり、全てに「置きブロック」のパンフを渡し、名刺交換もした。

閉場時間間際になり、太陽光発電システムのプランニングをやっている会社だったかな?ちょっと覚えてないけど。
そのブースでたまたま話をすることになり、実は施工もやっていることがわかった。今、進めている案件は架台も決まって、パネルも決まってあとは工事なんだが、置きブロックをどうしようか悩んでいる(そのときはまだ置きブロックを個別販売するパターンは少なく、ビルの屋上にセメントを運んで、そこで木枠を作りセメントを流し込む、という現場で置き台を作るという施工も多かった。これは納期も人工代もかかり、ブロックの品質も安定しない)という話が出たので、自社製品の話をしたらトントン拍子に話が進み、見積もり提出を求められ、あっという間に決まり、しかも大型案件だった。
この経験で新たな営業手法が出来たし、実績も積めたので、それから以降は営業先や提案先も増えた。

と、いうわけでかなり長くなりましたが(しかも途中から話がかなりそれた・・・)、ああいった、展示イベントは新人の営業さんが経験を積む場としては非常に向いているぼではないか?という提案でした。
もちろん、おおっぴらにビラ撒いたり、商談や会話も全くせずに、自社製品のパンフを渡すような行為はダメです。運営にも迷惑かけますし、出展企業さんにも迷惑をかけます(と、いうか、そもそもそんな常識のない行動を取るようなところは付き合ってくれないでしょうけどね)。ブースを訪れて、会話のなかで、双方にメリットになる話になる場合はこちらも製品やサービスの話をしてみる、であれば自然な会話の流れかと思います。是非やってみてください、とは言えないですが(何かトラブルたっても責任取れないですし)。

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