はい、第二回目です。加齢にともない記憶が薄まってきているので、早めに書いてしまおう、とw
これは、結構前になりますね。おそらく、2009年か、2010年あたり・・・。というか、1年かかってるから、その両方にまたがってるかな。
これもまぁ、あるっちゃある話です。

経緯説明

状況としまして、仲間内で組んでフリーランス集団で会社みたいに動いていた時期のことです。そのなかで僕は営業兼ディレクターという立ち位置でした。
なかなか、そんな集団に仕事を新規で依頼してくれる会社なんて、そういないんですが、たまたま出展した異業種展示会で知り合いとなった会社さんの役員の方より簡易なコーポレートサイト(子会社的な)のお話をいただきまして。
その簡易なコーポレートサイトを約束通り1ヶ月で原稿支給なし、という条件で難なくこなし、信用を得た僕らはその会社さんの次の案件のお話に取り掛かっていました。

 

ECサイトとセットで

次の案件というのはECサイトでした。そのECサイトはいわゆる「レンタルカート付きサーバー」を借りたので、デザインと中身の設定をお願いしたい、という内容でした。もちろん、やらせてください、ということで、取り掛かったわけですが、話が進んでいくなかで、「親会社のコーポレートサイトもセットでやってくんないかな」という話になりました。
その親会社さんのコーポレートサイトは、どうやら社員さんのなかで割と詳しい方がホームページビルダーで組んだものらしく(当時はまだ自社作成のサイトは割とあった)、そんなに重くないコンテンツ量のサイトでした。当時、4人でやっていたこともあり、そんなに手は空かない。でも僕らみたいな「どこの馬の骨」連中に簡単に仕事を出してくれる方々も限られています。まして、新規の顧客さん。セットで依頼するから多少安くしてね、ということや、そんなにボリュームもなかったのでサイト2つで60万でお引き受けすることになりました(EC30万+コーポレート30万)。

 

ECサイトはサクッと終了

今思うと、30万って安く作ったな、と思いますがw
当時は自分らの自信の無さ、というか、交渉も下手だったし、価値をわかっていなかったこともあって、その代わり制作期間を短く(手が足りないので)して次の案件へ、と考えていました。まずは要件が固まっているECから制作に入りました。契約書を交わし、見積書も作成し、見積もり有効期限を設け、承認いただいてプロジェクトスタート。

担当は親会社のコーポレートサイトをホームページビルダーで組んだ方が担当者さんで、店長となる女性スタッフさんがアシスタント、で制作に入りました。ただ、担当者の方は結局、最初の1回打ち合わせに来ただけで、その後は顔を出さなくなってました。ただし、アシスタントである女性スタッフさんが仕事が出来る方でして、打ち合わせややり取りは毎回すんなりと終わり、制作も問題なく進んでいきました。結果、1ヶ月でECサイトは完成し、店舗運用も無事スタートしました。

 

さぁ、コーポレートサイトだ

さて、コーポレートサイトです。セットで請けたとはいえ、請求はそれぞれでしていいよ、とのことだったのでECはご請求させていただきました。
コーポレートサイトは全部で10ページもなかったかな、確か。値段も値段だし、コンテンツも新コンテンツとかはなく、商品の追加をちょっとするのと、WordPressでコンテンツの管理したり、Eメールソフトがダイレクトに立ち上がるんじゃなく、メールフォームを使いましょ、的な内容で、デザインも拘らないということでスタートしました。

いくら、デザインに拘らないとはいえ、勝手に作って「はい、納品」は出来ないので、サイトマップ作って、トップページデザインを起こして、スケジュール表を書いて担当者さんに提出。ここまでは順当。スタートして1週間も経ってない。今月納品するぞ、の勢いである。ちなみに、ECのときの女性スタッフはコーポレートサイトは担当していない。完全に担当者さんとサシである。

 

担当が捕まらない

上記の資料を送って3日ほど経過。返事がない。まったくない。電話をしてみるが不在だという。仕方ないので、「メールにて、サイトマップとデザインとスケジュールを送ってありますので、ご確認ください、とお伝え願えますか?」と言伝てし、電話を切る。ここでは「まぁ、忙しい方なのだろう」というくらいの認識でした。
・1週間経過→音沙汰なし。再度メール
・10日間経過→音沙汰なし。電話するも不在。
・2週間経過→音沙汰なし。ここで「いくらなんでも遅すぎる」と思い、行動に出る。

元々、この企業さんの役員の方には好かれていたので、ちょくちょく呼ばれたりしていたから、行った際にその担当者さんも探したり、他の社員さんに「担当者さんがいる時間帯や曜日などってわかりますか?」と聞いてまわった。結局、誰もわからない、と回答されてしまい途方に暮れる。はてさて、どうしたものか、と思いつつも諦めるわけにもいかないし、進められるところは進めつつ、アポイントを取り続けるしかないわなぁ、と。役員の方は気性が荒い方でもあったので、この件については言わないようにしていた(まぁ、関係ないしね)。

 

メインの仕事じゃないからやってらんないんだわ。

こんな状態が続き、流石にまずいなぁ・・・という状態で、打ち合わせが出来ることに。
「やったー!これで進められる!」と喜び勇んでお客さんの元へ。担当者さんに会うのは3~4ヶ月ぶりのレベル。いざ、打ち合わせの場所へ案内されると、そこにはECのときのアシスタントの女性のスタッフさんがいるだけ。
「ん?あれ?○○さんは・・・?」
「あ、なにか、用事があるらしく、ちょっと遅れるとのことで・・・」
「わかりました。ではECの調子とか、どうですか?」

と雑談していました。そこへ20分ほど?でしょうか、遅れて担当さんが登場。悪びれる風もなく、「何でした?」と。
いや、「何でした?」はないでしょ。さすがに。メールも電話も散々してるんだし、こっちは制作進めないといけないのに・・・。

気を取り直し、
「お忙しいなかすいません。サイトの制作に関して、提出させていただいているサイトの構造図やデザインについて、お話させていただきたく・・・。進めていいのか、どうか、修正があるならご意見をお聞きしたいのですが・・・」
と持ってきた資料を展開しだしたところ、
「あー、その件か。お宅らはそれがメインの仕事だから、そうやって俺に色々聞けばいいけど、俺はこんなホームページの仕事はメインの仕事じゃないからやってらんないんだわ。んじゃ。」
と席を立たれてしまいました。
もう、ポカーンです。僕も女性スタッフも。えーと、御社から作ってほしい、契約書も交わしました、ECサイトとセットのプロジェクトで既にECは納品済みで動いています。それなのに、「俺の仕事じゃないから」で通用するの???
とりあえず、その日はびっくりしたこともあって、そのまま退席することに。

 

冤罪

こうなると、こっちもお手上げです。どうしていいかわからず、かといって、放置や諦めは出来ないし、でも、いつまでもかまってらんない。
優先順位を下げて時折、先方さんを別件で訪問した際に担当者さんを訪ねたり(1回も捕まらなかったけど)、女性スタッフさんに言伝をお願いしたりしていました。そんな感じで受注から半年経った頃にいつもとは違う方からメールで連絡をいただきました。コーポレートサイトの件でお聞きしたいことがあるとのことで、急遽打ち合わせをしたい、ということでした。
お伺いしたところ、人事異動があり、その担当者さんの上司となった部長さんからの呼び出しでした。部長さんからは第一声に
御社にお願いしてから半年間、全く進捗がない、と聞いています。一体何をやっているのか、いつになったら出来るのか、状況の説明をしてください」と怒られました。

こっちは「???」です。頭の中がパニック。なんで俺が怒られてるの?その部長さんの横には例の女性スタッフさんが。え、俺、嵌められた?
こんなこと言われて黙ってる僕ではないので、否定したうえで、今までの経緯や提出した資料、この半年間、こちらがどのように動いたのか、担当者さんから言われた心無い一言など、全て余さず報告させていただきました。すると、部長さんは「聞いていた話と違う」と、どうやら僕らが何も連絡してこない、という話になっていたそうで、横の女性スタッフも事情を説明してくれて、部長さんからは「申し訳ない」と謝罪をいただきました。

「担当者に伝えたうえ、上位の者にも報告しておきます。この度は迷惑かけて済まなかった」と部長さんからお言葉をいただき、僕は「これで進められる・・・」とホッと安心し、その日は下がりました。

 

ついに役員に報告することに

そして数日後、何も音沙汰ありません・・・。
もう、こりゃダメかもなぁ・・・と思いつつも、どうしたら先に進めたり、担当者さんが動くようになるかなぁ・・・と考えていましたが、結局いい手が思いつかず、そのまま時間が過ぎていきました。
10ヶ月目のある日、最初に仲良くさせていただいた役員の方とゆっくり話す機会がありました。
「コーポレートサイト終わった?」
「いや、それが・・・」

事情を説明したら、担当者さん大変なことになるからなぁ・・・とは思いつつも、こちらもお金の回収が出来ないので、出来るだけ悪口にならないように言葉を選びながら状況の説明をします。
「いや、実は、担当者さん、かなりお忙しいようでして・・・。その、最初に出したデザインや資料から何も進んでいない、と言いますか・・・。」
と言い終わるやいなや、内線でご自身の秘書的な立場の方を呼びつけます。気性の荒い方です。案の定、場が凍りつきました。

「担当者の○○さんはそんなに忙しいのか?そんな打ち合わせやメールも確認出来ない状況なのか?そんなことないだろう!」
「もし、本当にそんな忙しいなら、貴方も仕事を手伝って○○さんが時間空くようにしなさい。それと、ホームページの件も情報を共有して、そちらも手伝うように。平田君、困っちゃってるじゃんか。いいな?」

とまぁ、こんな感じで指示を出されたわけですが、他の社員さんに申し訳ないなぁ、と思いつつも、個人的には「多分、担当者さんを変えないと無理だろうな。」となんとなく感じていましたが、流石にこちらからそれは言えませんでした。

 

突破:見積書の期限が切れます!

さて、上記のやりとりから更に1ヶ月。何も動きはありません。ここまで来ると「やっぱりね」です。
どうしたもんかなぁ・・・と考えながら、ふと、契約書と見積書を読み直してました。契約書は僕自身で考えて作ったものです。そこには、セットの受注であること、見積もり有効期限があること、有効期限を過ぎた場合、再見積もりになりますよ、的な文言が入ってました。その文言はテンプレートの契約書に元々入ってた文言で、そんな長期間かかるプロジェクトでもないから関係ないけど、とりあえず、テンプレートはあんまりいじりたくないし、そのまま残しておけ、でいれてあった文言でした。
「あれ・・・?これ、使えるんじゃね・・・?」
「制作1ヶ月間かかるとして、来月でちょうど受注して1年。有効期限を過ぎますよ、ということを言えるな、これ。安く請けすぎてるんだし、有効期限外で再見積もりになります、契約書も破棄になります、再契約になります、で正規料金で見積書を再提出か、これで制作が進むなら、それはそれでOKだし。ダメで元々、やってみるか」

と腹を括り、役員の方に「お話があります」とアポイントを取り、早速伺うことになりました。

役員の方は上機嫌で
「どうしたー?」って感じでした。
「先日はコーポレートサイトの件、お話ありがとうございました。実を言うと、今回も同じ件なんですが、あれから全くなにも進んでいません。担当者さんがお忙しいみたいなので、僕らもどうしていいかわからないのですが、ただ、見積書に記載させていただいた有効期限日が来月でして、契約書にも期限日を過ぎた場合は再見積もりと記載させていただいております。そのことをご存知であればいいのですが、もしご存知いただいていないのであれば、事前にお伝えしておくべきかな、と思いまして。ずっと掛り切りだったわけではないですが、11ヶ月間、案件に関わることで、人手も割いていますので、再見積もりすると、それなりのお値段になるかな、と・・・。」
と言うやいなや、速攻で内線をかけ、秘書的な立場の社員を呼んですぐに状況を確認。「担当者には伝えてありますが、すいません、何も動けていません」と。
結果、その場で担当者を変更する、というお言葉をいただき、その秘書的な方が担当者になりました。

そこから先はスムーズで、準備していたこともあり、ほぼ何も問題なく、同月内で納品しました。

 

まとめ

今回は
 ・決済権を持っている方の信用を得るために案件以外でも仕事をしっかり
 ・エビデンス(やり取りや資料)をしっかりと証拠として残しておいて、こちらに正当性があることを伝えられた
 ・案件の規模に関わらず、「契約書」をきっちりと交わし、建前かもしれないが「有効期限」を設けていた
といったところでしょうか。
契約書を交わした当初は不要かもな、と思った項目に助けられ、契約書の重要さ、期限を明確に決めておくことの重大さを学んだ1件でもありました。

 

おまけ


今回もご用意w

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