ちょっと大きなプロジェクトに関わっていたので、なかなか更新が出来ませんでした。
少し落ち着きましたので色々とやりまーす。

「孫子の兵法×制作(web)ディレクション」の8回目です。
前回はこちら
今回は九変篇です。

九変はちょっと無理やりな変換となってしまいましたが、いくつかはディレクターだけではなく、PMさん、営業さん、含め会社勤めされている方にはご理解いただいていたほうがいい内容ですね。
特に、「君命といえども、戦いが不利になるなら受け入れなくてもよい。」の部分なんかはね。現場を知らない上司が机上の空論で現場をかき回す、振り回すのはよくあることですしね。
現場の雰囲気や空気は常に変わっており、現場にいなければわからないことですからね。戦況は刻一刻と変わっているんだから、後ろからやいのやいの言うべきではないです。

5つの危険はまぁー・・・これも別にディレクターだけに限った話ではないですが、前職の制作会社の社長がこのタイプでしたね。
2は該当しないけど、1/3/4は間違いなく該当してたから、社員は1/3/4のような感じになってましたね・・・。
この5つの危険は「人を使う立場の人間として大事なこと」でもあるので、覚えておくといいでしょう。


マンガ孫子・韓非子の思想 (講談社+α文庫) (日本語) 文庫

九変篇

 

九変

    将軍は君命を受けて兵を授かり、軍を編成するのであるから・・・

  1. 通行困難な地に野営してはならない。
  2. 交通の要地では隣国との関係に気を配れ。
  3. 交通と補給が困難な地に留まってはならない。
  4. 険阻な地形は敵に苦しめられやすいので、一刻も早く脱出すること。
  5. 退路のない局面では死力を尽くして戦え。
  6. 進軍路であっても、「迂直の計」を用いる時は、道を避けるべし。
     ※[迂直の計]于を以て直と為す。急がば回れの意。
  7. 敵をやっつけられる局面でも、他に兵力を集中するときは攻撃を控えよ。
  8. 攻略可能な町でも、効果的な全滅をはかって攻めない場合もある。
     争奪の地であっても一挙に勝ちを決めるために奪わないこともある。
  9. 君命といえども、戦いが不利になるなら受け入れなくてもよい。

以上の九原則に精通してこそ、用兵を心得た将といえる。
この原則に明るくなければ、地形を知っていても地の利は得られない。
軍を統括するのに、こうした機転がないと地形をうまく利用したところで、効果は発揮されない。

智将ともなれば策を練る時、必ず利と害との両側面を考慮に入れる。
不利な状況下で有利な面を考えれば、自信が増すし、有利な状況下で不利な面を考えれば、災いを未然に防げる。
諸侯が恐れているやり方で屈服させ、さまざまに策を弄して混乱に導き、そのあと利益で釣って味方につける。

敵は来ないなどと幻想をいだかず、万全の準備を整えて待ち受けよ。
敵に攻め入る隙を与えないような体制を作り上げよ。

    ディレクターは依頼を受けて制作チームを編成するのであるから・・・

  1. 複数の他案件を同時に抱えすぎないこと。
  2. サーバー周りなど、クライアントのシステムに関わる部分などは担当部署以外にも連絡を取るなり、システム管轄している外注会社と連携を図れ。
  3. チーム内のコミュニケーション方法を決めて、連携をちゃんと取ること。
  4. 大きな作業を進めているときや、メンバーが足りないときなどは苦しい状況に陥りやすいので、一刻も早く脱出すること。
  5. 後に引けない、気力と根性で乗り切る局面はどうしても発生するときがあるので、死力を尽くして作業を行う。
  6. 「こうしたほうが早い」と思うことはあっても、クライアントに確認や、資料を準備して客に理解をしてもらってから進めるなど正しい手順を踏むこと。
     ※[迂直の計]于を以て直と為す。急がば回れの意。
  7. 一気に進められるときでもスケジュールになければ進行を控えよ。
  8. すぐに連絡出来る状態でも、効果的な演出をはかって連絡しないときもある。
     一挙に決めるためにタイミングを測って待機することもある。
  9. 自社の社長命令であってもプロジェクト進行において不利益になるのであれば受け入れなくてもよい。

以上のようなポイントを押さえてこそ、進行を心得たディレクターといえる。
この原則に明るくなければ、コーディングやデザインなどの技術を知っていてもタイミングや機微は得られない。
施策チームを統括するのに、こうした機転がないと技術があったところで、効果は発揮されない。

優秀なディレクターともなれば制作進行方針を練る時、必ず利と害との両側面を考慮に入れる。
不利な状況下で有利な面を考えれば、自信が増すし、有利な状況下で不利な面を考えれば、災いを未然に防げる。
競合他社が勝てないような方法で自社を印象づけ、さまざまに策を弄して有利な状況に導き、そのあと別案件で釣って味方につける。

トラブルは来ないなどと幻想をいだかず、万全の準備を整えて待ち受けよ。
クライアントに隙を見せないような体制を作り上げよ。

 

将軍が犯しやすい五つの危険

  1. 必死になると殺される。
     →無鉄砲なだけではむざむざ殺されてしまう。
  2. 助かろうとすると捕虜になる。
     →びくびく戦えば、捕虜になるだけだ。
  3. 短気だと侮られる。
     →焦って、腹を立ててばかりいると、敵にバカにされる。
  4. 潔癖だと辱められる。
     →プライドが高いと、相手の中傷に耐えられない。
  5. 思いやりがあると煩わされる。
     →思いやりがあると、敵につけこまれる。

以上が将軍が犯しやすい五つの危険である。これらは戦いでは大きな妨げになる。
軍隊が瓦解し、将が殺されるのは、しばしば、この五つの危険からもたらされる。よくよく反省してみることだ。

→ディレクターが犯しやすい五つの危険

  1. とりあえず案件スタートさせちゃう
     →準備もしていないので、様々なトラブルに見舞われ、納期も曖昧に予算もオーバーし、外注には支払いが出来ず、クライアントもブチ切れる。
  2. 出来るかどうか自信がない
     →常に不安な態度や表情をしていたら、それはクライアントにも伝わり、結果、担当替えを打診されたり、プロジェクト進行中に別の会社に依頼が変わったり。
  3. 短気だとバカにされる。
     →焦って、腹を立ててばかりいると、クライアントにも制作チームのスタッフにもバカにされるし、ナメられますし、逆切れされます。
  4. プライドが高いと辱められる。
     →プライドが高いと、制作チームのなかで浮いたり、制作スタッフから相手にされなくなったり、クライアントにもそのプライドの高さが尊大に見えて不評を買います。
  5. 思いやりがあると煩わされる。
     →中途半端に思いやりや優しさがあると、クライアントにつけこまれます。悪意はないかもしれませんが、無知であるがゆえに、何が簡単で、何が難しいかわからない状態で編集依頼をかけてくるため厄介です。

以上がディレクターが犯しやすい五つの危険である。これらはプロジェクト進行では大きな妨げになります。
制作チームが瓦解し、クライアントがキレるのは、しばしば、この五つの危険からもたらされる。よくよく反省してみることだ。

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