さぁ、いよいよ佳境というか、今回はあの有名な文言が登場します(=プレッシャーも高い)
「孫子の兵法×制作(web)ディレクション」の7回目です。
前回はこちら
今回は軍争篇です。

今回は武田信玄で有名な「風林火山」について説明されている章になりますが、正しくは、風・林・火・山・陰・雷霆のようです。

マンガ孫子・韓非子の思想 (講談社+α文庫) (日本語) 文庫

軍争篇

 

迂を以て直と為す


一般的に戦いは、敵と前線で有利な条件を争うものである。
回り道すると見せかけてすばやく近道を直行し、敵より早く戦場に到着する。
不利な諸条件を有利なものに変える。
互いに機先を制し合う場面では、有利な側面もあれば、危険な側面もある。

→一般的に制作の進行において、クライアントや制作の実担当者とは報酬の代価だけでなく、進行や制作における条件なども決めて進めるものである。
回りくどいと思えることも、実は近道かもしれず、条件をよりよい方向に持っていく。
不利と思われることも有利なものに変えられる。
互いに、イニシアチブを握り合うような状況においては、有利なときもあれば危険なときもある。

 

利と害


全軍の人馬と輜重※が一緒に行動すれば、機動性はなくなる。
といって補給部隊を後方に残すと、機動性は増すが、敵に奪いとられる恐れがある。
ましてや軽装備で昼夜を隔てず走り続ければ、一日に百里※も進めるが・・・、隊列はバラバラになる。
精鋭だけが先に着き、弱い者は落伍して、戦場に駆けつける者は十分の一程度になるからだ。
この状態で戦いに臨めば、三軍の将はみな捕虜になってしまうだろう。
後方部隊と輜重がなく、食糧の補給と装備の備蓄がなければ、生き残ることはできない。
諸侯の狙いを見きわめず、同盟を結ぶのは危険だ。
山林や沼沢などの地形を知らずに行軍してはならない。
地元の道案内を用いなければ、地の利は得られない。

※[輜重]軍隊が必要とする兵器・糧食・被服など。
※[里]約四〇〇メートル
※[三軍]一軍は一万二五〇〇人。大諸侯が三軍を持った。

→制作チームが大きくなれば、チームの機動性は遅くなる。
といって、制作陣を交えず、クライアントや営業、ディレクターだけで話を先に進めると、確かに話しは早く進むかもしれないが、技術検証や実際の制作スケジュール、情報の確実性などが曖昧になることがある。
ましてや、ディレクターも交えず、営業だけで企画を立てて動いていけば、一気に進むかもしれないが、実際の制作進行はガタガタでグダグダになる。
理想だけが先に進んでしまい、技術検証や制作スケジュールが机上の空論、絵空事になるからだ。
この状態で制作を進めてしまうと、納品時に納品も出来ず、制作会社の営業、ディレクター、役員や社長などはクライアントに謝罪のため頭を下げることになるし、損害賠償を支払うことにもなるだろう。
制作陣と連携がなく、制作スケジュールの余裕や予算の余裕がなければ制作は思う通りに進まない。
制作チームのスケジュールの把握や実際に進められそうな人員確保がないままの契約は危険だ。
クライアント側の社員の人間関係や部署のチカラ関係、データの管理場所、使用しているシステム状況など、クライアント側の事情を調べずに進めてはならない。
クライアント側の状況に詳しい人材や担当者、まとめることが出来る人間と連携が取れないと、思うように進むことができない。

 

風林火山


戦いは、さまざまに敵を欺くことが成功をもたらす。
有利かどうか見極めて行動を起こし、状況の変化に応じて兵力を分散するか集中するか決める。

風:行動する時は疾風のように駆け抜ける。
林:静止する時は林のように静まりかえる。
火:突撃する時は燎原の火※の如く襲いかかる。
山:防御する時は山の如く微動だにしない。
陰:隠れる時は黒雲が天をさえぎるように跡をくらまし、
雷霆:現れる時は、雷鳴のように襲いかかる。

※[燎原の火]野原に放った火。勢いが強く防ぎきれないこと。

敵情の変化にもとづいてどう出るかはかり、チャンスと見たら動く。
行動と静止、攻撃と防御、隠蔽と出現-これらを適確に行うことが勝利へと導く。

→制作進行はさまざまに状況を把握し、常に先手を打つことが成功をもたらす。
有利かどうか見極めて行動を起こし、状況の変化に応じて人員を分散するか集中するか決める。

風:行動する時は疾風のように進行する。
林:静止する時は林のように静まり、担当窓口以外は連絡を取らない。
火:突撃する時は燎原の火※の如く、一気呵成にデザインの提出や確認事項の質問など送付する。
山:防御する時は山の如く、ミスや何か失態をしたとして追求されようが、指摘を受けようが微動だにしないし、ブレない姿勢で。
陰:思いつかない・・・。
雷霆:思いつかない・・・。

状況の変化にもとづいてどう動くかはかり、チャンスと見たら動く。
行動と静止、攻撃と防御、隠蔽と出現-これらを適確に行うことがいい流れへと導く。

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