しばらくバタバタしてて更新が滞ってました。
今回は企業のSNSのアカウントについてです。
「SNS」というものが使われる、言われるようになったのっていつぐらいだっけな。Twitterが2006年?(当時はマイクロミニブログ?って呼ばれていたような)
確か、WEB2.0とかと同時に勉強してた覚えあるので、もう13年(まだ13年?)ですか。
(当初はSNSなんて言葉もなくてCGMって呼ばれてたと思います。いつぐらいからSNSって呼ばれるようになったんだろ・・・)

個人が情報を発信できるツールとしてサービスが広がりはじめ、
そこから企業さんなど法人さんもアカウントを取得されたりして、Facebookも始まって、Facebookページなんてのも出てきて、
法人さんでSNSアカウントを持って、SNS上でも活動をされる企業さんがかなり増えました。

作るのは自由ですけど、運用や運営がなかなか難しいですよね。
僕もいくつかの企業さんに相談されたり、担当さんの教育したり、自分でも企業のSNS担当やったことあります。
今回はそんな相談や自分の経験、思うことをツラツラと。

SNSってどうやったらお金になるの?

(※当時はSNSとは呼ばれてない時期ですけど、ややこしいので、SNSでいきます。)
これが一番最初にSNSについてお客さんから聞かれた質問でした。ほんと、黎明時ですね。
当時、もうTwitterはやってたし、Facebookも始めてたんじゃないかな、多分。そんな頃です。
相手はバリバリの営業出身の個人で会社経営の社長さんでした。

まず、SNSはそういったビジネスをメインにしたツールではないこと、個人が情報を発信したり、個人がWEB上でつながって交友を広げることを目的としたツールであることを説明しました。
それに対して返ってきた回答は
「その活動をすることに対して何の意味があるの?営業的なメリットあるの?」
と言われたのを覚えています。自分の活動や行動は全て「利益」につながるという考え方なのか、SNSを理解出来なかったようです。
その考え方自体はその人の考え方なので、別にどうとも思わないのですが、営業的発想のもとにSNSを捉えるとそう感じるんだな、と印象に残っています。

クチコミツール(SNS)を使ってこの商品を売ってください

それから少しして翌年くらいですかね、大手の通販会社さんの担当さんにLP制作の打ち合わせで呼ばれました。
LPの打ち合わせが終わって、担当さんから、
「で、この商品をクチコミツール(SNSのこと)で拡散させてバンバン売りたいんですよ!」
と言われました。

ここでも、そもそもSNSはそういったものではない(当時は)、それと告知をするのはそれぞれ自由ですけど、広告めいているので、嫌がられるような気がしますよ、と。
ペイパーポストが問題視される、されないくらいだったと思いますが、そういった事情もあるし、商品もサプリメントだったので、そういった手法には期待されないと思います。
それこそ、「サクラ」を用意して展開させたりは出来るかもしれませんが、それなりに費用と時間もかかるので、純粋にクチコミさせる、勝手に出回るってのは難しいんじゃないかな、と。
(本当にいい商品だったら、勝手にクチコミされますよ・・・と言いかけて言うの止めましたけど)

実際に自分が企業のSNS担当になってみた

とある一般企業(WEB系ではない)に転職したときにWEB担になって、SNSも担当することになりました。
運用が上手くいっている企業さんのように「中の人」を演じながら、広告めいたことは出来るだけやらないように、「広報」としての立ち位置で運用をしてイベント情報や会社の活動を炎上しない範囲で運用していました。1ヶ月くらいすると上位者から呼ばれて言われたのは「他部署からクレームが入ってる。SNSにアップしている写真が遊んでいるようにしかみえない、仕事をしろ。」と言われました。

遊んでいたわけではなく、イベントのカタログが出来たら、イベントのカタログの写真を持ってる社員の写真をアップしたり、イベント実現までの苦労をちょっとおもしろく紹介したり笑顔を絶やさずにって感じで投稿して「楽しい職場」を演じていたのですが、他部署からすると「仕事中に笑顔の写真が撮れるなんて仕事してない証拠」と感じた方がいるようで・・・。炎上するしないのラインはおおよそ想像ついていたので、そこは超えないようにしていたのですが、まさか社員からクレーム入るとは想像出来ず。

このときに「企業アカウントの担当者」の難しさを痛感しました。社内に理解者がいないと思うような運用は出来ないんだな、と。そして、監視されてることも。
そこからはお硬い投稿、もしくは商品を投稿する広告ツールに早変わりさせたわけですが、それまでは社員のご家族(実際に新卒社員のお母様から「娘から仕事が楽しい、と聞いており、本当にいい会社に就職出来て親としても嬉しく思います。今後共よろしくお願いします」とメッセージをいただいて、すごく嬉しかったよなぁ・・・)やお客さんからついていた「いいね」やコメントはなくなりました。
そりゃそうだろうって感じですけどねw

実際に自分が企業のSNS担当になってみた2

とあるIT企業というかWEB制作会社ですね。
そこもSNSの運用が上手く出来ておらず(WEB系なのに?って感じでしたが)、忙しくて継続投稿出来ない、ということと、運用ルールが定まってない(まぁ、あと業界でありがちな社員の新陳代謝が早い)ことで、「誰かがやる」的な状態でした。企業のSNS担当の経験がある、ということで、やってと言われて始めたわけですが、「ここの会社のマネをして」と言われ、知り合いの制作会社の投稿を真似るように指示が出ました。
その制作会社のSNSは「SNSを使って自分たちの制作についての想いや苦労、案件ごとの実績を語る」感じでブランディング性の強いものでした。

その時点で、それは無理と感じました。
なんで?って、その制作会社は「きちっとした運用ルールに基づいて、社長が自分の想いと仕事に対する取り組み」を書いていたわけですが、僕が在籍していた制作会社にはそんな状況ではなく、創設期からの社員はいない、案件も小さいもので、担当者以外はその仕事の状況も案件名もわからないし、納期遅れで炎上の毎日で「とてもブランディングなんか出来る状態じゃない」と。

受けた以上はとりあえず、反応や様子見でまずは何かを投稿してみるか、と、とりあえず、当社はWEB制作だけじゃなくてマーケティングについても学んでいますよ、ということで、マーケティングに関しての本の写真を投稿して、勉強中なことを投稿してみました。投稿して5分後くらいにチャットが飛んできて、「あの投稿なに?全然クリエイティブじゃない。消して」と連絡が入りました。とりあえず即消しました。

別の日に個人のアカウントで、たまたまですが、財布の中に金がなかったので、「銀行行くの忘れて財布のなかこんだけしかない」と投稿したところ、チャットが飛んできて「夢がない投稿をするな」と怒られました。いや、これが企業のアカウントだったら言われるのわかるけど、個人アカウントの投稿をなんで怒られるの?別に社会的なモラルに違反した炎上系の投稿でもないだろうし、公開設定でもないのに。
ということが何回かありまして、「僕では社長のご希望に添える投稿は出来ませんので、ご自身で投稿してください。」とお伝えしました。

興味ないのに担当者

部署や立ち位置で担当者をやらせられてしまう場合もあります。これはWEB担も同じですが。
SNSに興味ないのに、PCに詳しい、エクセルに詳しい(←何故エクセル詳しいだけで、全般詳しいと判断されるのか・・・?)から何故か担当になっている方、担当を任命されている企業さんもいます。
それがダメってわけではないですが、聞くと大体は「なにを投稿していいかわからん」から始まり、イベントの告知やキャンペーン情報、文書はチラシにかかれている売り込み文句のみ、商品情報・・・。そういった投稿をするな、というわけではなく、そういった投稿しかしない状態。ユーザーからしたら、「広告となにが違うの?」でしょうし、「またか」「ワンパターン」となるでしょう。
炎上を恐れて表現や投稿内容にシビアになるのもわかりますが・・・。

元々、そういった使い方しか想定せず、「一方的」にその企業の伝えたいことを伝えるだけで、ファン化やユーザーとのコミュニケーションは望んでいない、というのであれば問題はないのですが、フォロワーの数を増やしたい、ユーザーとのコミュニケーションを図りたいのであれば、この運用は間違っています(商品が売れる、話題になる、シェアされる、問合せが来るなど、営業的なメリットはこれが出来た向こう側かと)。
それに、フォロワー数が多い=パワーのあるアカウントというわけでもないです。広告使って集めることも出来ますし、ターゲットやユーザーでない方々を集めたところで、意味はありません。量ではなく質の問題です。ちょっとわかりにくいかもしれませんが、「フォロワーが多いからパワーがある」ではなく、「パワーがあるからフォロワーが多い」んです。

企業SNSアカウント運用の注意点

企業のSNS担当者をやった経験から、その投稿をしたくてしているわけではないことも多々ありますし、専任でSNSだけやるっていう環境も少ないことがほとんどでしょうから、そうなると他業務との兼務になります。そうなると「やってられっか」ってことにもなります。そして、上位者からフォロワーの数について叱責されると、「数増やせばいいんでしょ?」的な発想になって、ユーザーの質を考えず量に走ります。ここは追い込まれた営業の動きと似ていますね。売上をあげろ→んじゃ、売上上げるけど、利益率や粗利率は無視してでも数字増やすわ的な。

なら、どういったことに気をつけて運用するのか、というのは多くの方が書かれていたりするし、そちらのほうがキレイにまとまっていてわかりやすいので、そちらを読んでいただくとして、個人的な経験から思う「運用の注意点」を以下に記載したいと思います。

必要以上に炎上を恐れない

炎上なんて、そう簡単にしません、とは言い切れませんが、社会的なモラルを守っていればそうそうはしないと思います(ただし、自社の社員やアルバイトが酔った勢いでモラルを逸脱した行為をSNSに投稿して、そこからどこの企業か判明して炎上、というのは除きます)。嫌味な言い方を敢えてすると「炎上するほど多くの人に読まれていますか?」とも言えます。炎上を恐れるあまり、まるで「広告」を丸写ししたかのような投稿をしても、広告と同視されてしまいます。ユーザーは投稿された内容や投稿する「中の人」のキャラや温度に反応して共有したり、コメントを書いたりしてくれます(批判的な意見もときにはあるでしょうが・・・)。

任せたらとやかく言わない

会社側が担当者を選んで任せたなら、横から口出しはしないほうがいいでしょう。担当者はなにを投稿していいかわからなくなってくると思います。
投稿内容に問題があって、会社にとって害があった、害がありそうと判断される内容を投稿している場合、それが社会的に受け入れられる/受け入れられないはさておき、担当者は変えたほうがいいでしょうね。担当者さんのストレスにもなります。「監視」されてることにもなりますし、会社の看板を背負ってるという気負いも出てきてしまいます。それに、本来の自分の業務とは別でやってるわけですし、その投稿に費やす時間を本来の業務に充てたほうが生産効率もいいでしょう。

逆に、投稿内容に問題ないのであれば、口出しせずに任せましょう。投稿内容が営業的なことにつながらない、とか投稿内容に不満だからといって、投稿内容を担当者以外の方が途中からコントロールしようとすると大概おかしなことになり、それはユーザーに伝わります。

基本はコミュニケーション

SNSは言って終わり、の一方的なツールではないです。情報発信のツールではありますが、双方向でコミュニケーションがダイレクトに伝わる情報発信ツールです。しかも公共の場への。
ユーザーからコメントが入った場合は必ず返答ないし、アクションは起こしたほうがいいでしょう(人気のある企業アカウントさんの場合は返事しきれないものもあるでしょうけど)。無視されたユーザーはあまりいい感情を持たないでしょうし、その「やり取り」は他のユーザーからも見ることが出来ます。そうなると、「この会社はユーザーを無視する会社なんだな」と思われます。逆にいえば、それが批判的なコメントでもクレームでも「対応」をしていれば、「この会社はこういった批判やクレームにもちゃんと対応するんだな」と映ります(もったいないのはクレーム読んで、そのクレームコメントに返事はせずに、リアルの世界ではクレーム処理したのに、SNS上で対応をしていないこと。他のユーザーからしたら、クレーム処理されてることはわからないので無視してるんだな、と判断されてしまいます)。

商売っ気を全面に出さない

既出の文書と多少重複しますが、商売っ気を全面に出しているとユーザーは近寄ってきません。感覚的に言うと、どこかのお店に行って、商品をなんとなく見ているところに「何かお探しですか、これオススメですよ、これなんてどうですか」と矢継ぎ早に話しかけられて商品をオススメされる感覚、といいましょうか。商売っ気を出すにもそこに何か面白さ(といっても笑いとかだけでなく)、何かユニークな仕掛けとか、工夫された言い回しとか(すいません上手い表現が見当たらず)、ユーザーが思わず反応してしまうもの、興味を持ってしまうもの、何かしらの「感情を動かされる」ものがないと共有や反応は示してくれません。

どんな人が担当に向いてるか?

というと、どんな方がいいんでしょうか。
先程も書きましたが、「何かしらの感情を動かされる」と書いたように、共有や反応を示してもらいたいのであれば、感動を与えられる人、ちょっと違うな、感動を伝えられる人、でしょうか。
って書くと「涙を流してもらおう」とか「感情を揺り動かすような名文を」とかって思われそうですが、そうではなく、もっと単純な話で、自分が感動したことをそのまま素直に伝えられることじゃないかな、と。

例えば、友人同士で映画の話をしたときに、その映画のあらすじを事細かに話すでしょうか、パンフレットに載っている概要をつぶさに説明するでしょうか、そこで友人に涙を流してもらおうとか、感情を揺り動かしてやろうとかって思いますか?多分、そうは思わないですよね。自分がどう感じたか、を説明して、どこがすごかった、面白かったかなど、自分の感情を交えて話しますよね?友人はそのあなたの感情に反応して、自分も見たいと思ったり、その感情に共感を示すのではないでしょうか。また、あなたが、その友人にもその映画を見てほしいと思った場合、「どうだった?」と聞かれ「面白かったよ」「良かったよ」だけでは伝わらないですよね(まぁ直接会っての話し合いならトーンや言い方、表情も一緒に伝わるので、そこで感情が伝わったりもしますが)。

SNS上のやり取りでも同じではないでしょうか(テキストだけでは伝わらない、伝わりにくい部分ありますけどね)。
例えば、自社の商品愛に満ちあふれている?社員さんとか、自社のサービスに自信を持っている社員さんとか、ただ単に紹介するのではなく、そういった感情をを一緒に伝えられる、感情を記載して伝えられるような方がいいんじゃないかな、と。

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