この前、宮城谷さんの「奇貨居くべし」を読んでいたら「言い得て妙」な一文を見つけたのでご紹介。

 「人や物を縦に動かした場合利益は生じにくい」という一文。

全てのものに当てはまる「真理」とは言えませんが、ある程度は当てはまるかと。
例えば、企業間の付き合いにおいて、「縦」の関係が生じている場合、そこに利益は発生させにくい、ということ。

子会社が親会社への製品の納品をする場合、その料金は他の企業に売るよりも「安い」場合が多く、利益率は悪い(安定需要という一面はあるかもしれませんが)。

また、親と子の関係でなくても企業間(特に担当者同士)で「縦」の関係があると、無理難題や、常識を超えた値下げ交渉などが発生したりもします。
先ほどの親子の関係は多少仕方ない部分もありますが(出資者なので)、担当者間での関係においては「下方に甘んじている」担当者にも問題があります。

では、横に動かした場合はどうでしょうか。
横に動かす、先ほどの「縦」の企業間、担当者間に当て込んだ場合、立ち位置、高さは同じである、ということになります。 お互いに納得のいく条件や契約を結び、お互いに利益になるように考える「win-win」という結果につながります。

個人的な都合のいい考え方かもしれませんけどね。
また「ブルーオーシャン戦略」「読んでみました」に出てきた「同質化戦略」にも関わってきますが、例えばある技術を持ってる会社がいます。

この技術はそれほど珍しい技術でもないんだけど専門性はある技術だったとします。
そのままその技術をそのレベルを維持したままでは成長できないといった場合にその技術を「縦」に動かすか「横」に動かすかでも変わってきます。

縦に動かす、これはその技術を高める、深く掘り下げた場合ですね。
これはこれで素晴らしいと思います。

ただし、本当に高いレベルに上がらないとすぐ追いつかれてしまうし、大手の波に飲み込まれてしまうのではないかと。また、研究の要素が強くなってくると(研究は金にならないというわけではないです)、技術はすごいけど、それをどうビジネスに活かすの?という話にも繋がってきます。

横に動かす、これはその技術を別の土俵(市場/他の製品)に活かす、ということになります。これもいずれは同質化戦略で大手に参入されるかもしれませんが、イニシアチブはとれるかと思います。

また、以前新規事業を立ち上げてる方から聞いた話ですが「大手の参入は大いに結構なんだよ」と。

なぜかと尋ねると、「業界シェア100%なんてのはどだい無理な話。それよりもシェアをわける一つでいい。ただ、誰もまだやってないことをやってその業界のリーディングカンパニーとなっておき、大手が参入することで、一気にその業界の認知度が上がる。そうすることで市場は一気に膨らむ」と。

もう少し細かい話(そうなるためにしなければいけないことや条件は多々あるそうですが)もありますが、それは割愛。

日本は縦の社会構造/構成が強いと思っています。
それがいいか悪いかはさておき、僕個人としては横のつながりを強化していきたいと常々考えています。それは協力会社やプライベートでの勉強や教育機関などです。これは僕らが少人数で動いてる、というのも関係してるんでしょうけどね。少しずつですが横のつながりをつくる環境を作ってます。

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