以前、デザインについて書いた気がしますが・・・、ちょっと内容被るかもしんない。
デザインだけじゃない話なんですけど、「望んでるもの」について、ちょっと考えてみたいと思います。

ここでいう「望んでいるもの」は「クライアントが望んでいるもの」だったり、「ユーザーが望んでいるもの」のことで、
いわゆる制作物ということで書いていきます。

印刷物にしろ、WEBデザインにしろ「クライアントから依頼(発注)」があって初めて発生します(自社発信のものは除いて)。
昔はDTPデザイナーやってたんで、その頃から思ってはいたんですよね。

例えば、「サイズ:B4 4/4/C(フルカラー)、コマ配置で商品を並べるチラシ」だったとします。

紙面媒体ですんで、当然面積は限られます。そこにクライアントは自社の商品やキャッチ、スペックなどを記載し、ユーザー(お客)に自社をPRします。

クライアントの場合、出来るだけ、数多くの商品を掲載したい、そして目立つようにしたいと言われます(一概に全てがそう、とは限らないですが、僕のクライアントはそういった方が多かった)。そしてそれは同時にスペックなどの文字情報も掲載することになります。

そのクライアントの要望をできるだけ叶えようとはしますが、仮レイアウト(コマ割作って商品をひとまず配置)を作ると、商品写真は入るけれど、柄だとか、そういった細かい部分は掲載できない、というのがわかります。

更にそこへスペックが入ります。
商品写真に出来るだけ重ならないように文字情報を配置します。
必然的に文字サイズは小さくせざるを得ません。

更に長体(文字を横に潰す)かけたり、平体(縦に潰す)かけたりして調整していきます。こうして、クライアントの要望を見事にカタチにしていくわけですが、出来上がったチラシを見て思えるのは「グチャグチャ」だったり、「散ってる」だったり「読みづらい」だったりします。新聞の文字より小さい文字サイズです。読みづらい、読みにくくて当たり前ですよね。そして、そのチラシのターゲットがご高齢の方だった場合に、「苦労して読む」ことになります。

当時、デザイナーやってて「このチラシで果たして客は来るのだろうか?」と疑問に思ったわけですが、クライアントは満足されてるし、自社としても印刷に回さなきゃいけないので、制作終了にします。

「こっちのほうがいいのでは?」という意見を言ったこともありますが、クライアントはそれにはNOでしたし、それに相手のほうが商売のプロでもあるわけですから、こちらも強く押すこともなく、意見は引っ込めます。チラシの集客効果だったり、費用対効果といったことをやってみえないようでしたので、結果として自分の作ったチラシの是非はわからなかったんですけど、それ以来「疑問」を持つようになりました。

WEBサイトも同じなわけですが、「クライアントの望むもの」というのはどちらなんだろうか?と。うまく言えないですが
「クライアントが気に入るもの=クライアントが望むもの」なのか、

「クライアントが望む結果を得られるもの=クライアントが望むもの」なのか。

何でも「何か作るとき」ってそうだと思うんですが「何のために作るのか?」といった目的があります。

その目的をかなえる、もしくはそれに近い状態を作るべく、「つくる」わけです。
その目的と望むものと望む結果が

クライアントが気に入るもの=クライアントが望む結果を得られるもの=目的

であればいいわけですが、必ずしもそうではないことがあります。
それを使うのが自分だけであれば問題ないでしょうし、それが「目的」であれば問題はありません。

作るものが「人に使ってもらうもの/見てもらう」だった場合、その「使ってもらう人」を無視することはできません。

またサイトだった場合はSEOだとか、ブラウザの違いとか、回線だとかいろいろ環境も変わってきます(紙媒体も紙質とかサイズとかありますけどね)。そういったことを総体的に考え、提案していく必要があると思っています。まして、クライアントがWEBにあまり詳しくない場合は、要望を叶えようとすると、目的からズレる可能性がある場合は、そのあたりも説明する必要があります。

が、しかし、それにこだわるあまりに、クライアントとモメてしまう、進捗が遅れてしまうことがあるのもまた事実。

だから「お客がこれがいいって言うんだからいいじゃん」、「お客がこうしろっていうから、そうして」という考え方も間違いではないかもしれない(正解とも思っていませんが)。

受注側が「案件をスムーズに終わらせる」ことだけに集中した場合、こういう動き方になると思います。当初の目的も視野には入れてますが、「終わらせることが第一」。
確かに自社利益やクライアントとの力関係を考慮すると賢いのかもしれません(ただし「イエスマン」になった場合に制作現場からは怨嗟の声は聞こえてきますけどね)。

でもそれは「本当にクライアントのことを考えて仕事をしているのだろうか?」と。

本当にクライアントのことを考えるのであれば、言うべきことは言うべきだし、説明する義務もある、と思っています。

だから「ユーザー視点を」と言い続けているわけだし、言われ続けているわけだし、「誰のためのデザイン?」なんて言う本とかもあるんじゃないか、と。ま、もちろん僕がズレてたら元も子もありませんが(^^;)

もちろん理想は
クライアントが気に入るもの=クライアントが望む結果を得られるもの=目的

です。ここに、どれだけ近づくことができるか?そうなるべく努力していくしかないですよね。

棚橋さんのDESIGN IT! w/LOVEに「マーケティングの顧客セグメントとペルソナ」という記事があります。ここに答えの一つがあるとは思うんですが・・・。

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