2025年になりました。今年はWinodws95が発売されて30年目です。
日本にPCの普及とインターネットの普及のきっかけとなったマイクロソフトのOSです。

このとき19歳。警備会社でアルバイトしていた僕は、家電量販店で深夜から発売するってことで、地元名古屋の家電量販店に深夜集められ、Windows95を買いに来たお客さん達の長蛇の列の整理や交通整理業務に携わっていました。11月の終わり頃なんで寒くてね。

当時、通っていた専門学校は既にインターネットが導入されており、簡単なHTMLを書いてNetscapeなどで表示させてみるなどしていたので、「インターネット」の存在は知っていましたし、なんとなく「OS」なるものも理解はしていたけれど、説明できるほどではなく、一緒に警備業務についたシニア隊のおじいちゃんやおじさん社員に「みんな何を買いに来てるんだ?」「一体これは何事か?」といった感じでしたね。

中にはお客さんから聞いたのか、どこから聞いた話かはわかりませんが、分かる部分だけ理解したんでしょうね。
「これを買うと海外のエロ写真が見られるの?」とおじさん社員に聞かれ、間違いじゃないけど、回答に困った覚えがあります。
(OSとかインターネットとか今までになかったものを説明するのって難しいですよね)

今回はこんな感じの、「今では信じられないような」そんな小噺をいくつかご紹介出来たらと思います。

クリック! カッキーン!

一般企業さんでWEB担当者業務に就いていたときのお話。
自社のWEB広告を開始してサイトのアクセスや売上アップを提案していたときのこと。広告費用がどれくらいかかるか、クリック課金だから、クリックされた分しか費用はかからないということを経理部長に説明していました。初めてのWEB広告ですし、結構年配の方なんで、中々伝わらないだろうなとは思っていましたが、何度説明しても理解を得られず、でも挫けず説明していました。

「いいですか部長、クリック課金形式ですから、無駄なお金の垂れ流しではないです。実際にクリックされた際に初めて課金されるんです。クリックされたということはサイトを見てもらえたということになります~~広告を表示させるだけで費用がかかるんじゃなくて、クリックされて初めてそこで課金されるから、無駄な費用にはなりません!」
と、僕を支援してくれる別部署の部長さんと一緒に経理部長へ一所懸命に説明していました。4回か5回くらい説明したでしょうか、それでも理解を得られず、どうしたら分かってもらえるんだろう・・・と思案にくれていました。

経理部長も何とか理解をしようとされているのは分かったので、こちらもめげずに説明を試みます。30分程、「クリック課金」の仕組みや意味をひたすら説明したころでしょうか。
「クリックしたらカキンと音が鳴るのは分かったから、そこから先に説明を進めてくれ!」
時間が止まるっていうのはこういうことを言うんだな、というくらいの静寂の間が流れました。僕も流石に思考停止です。
「クリックしたらカキンと音が鳴る? ん・・・? クリックしたらカキン・・・クリックカキン・・・クリック課金・・・あ・・・!」

そうです。課金を「カキン」という効果音と思われていたために意味が伝わなかったようです。
クリックしたらカキン(と音がなりますので)、そこで初めてサイトに人が来るんです的な説明に聞こえてたってことですよね。そんなの伝わるわけがない。
そして更に厄介なのが、僕を支援してくれる部長も理解をしていなかったもんだから「そうそこで、カキンと音が鳴って、初めてお金がかかる・・・」と説明しだしちゃって更に深みにハマる結果に・・・。
(漫才とか、ネタじゃなくてリアルに起きた実話です)

そしてその問答がその更に上に伝わり、「お前の説明が悪い」だの、「言葉遣いが悪い」だのと散々に怒られまくってWEB広告の提案は却下されました。

 

ところでSNSって何をするんですか?

これは過去にもこのサイトで紹介している昔書いた、CMS(と自社更新)に関してvol.03に記載してある内容ですね。
時代はSNSの黎明期。Facebookの導入後だったので2008年か2009年くらいでしょうか。テレビなどでも「これからはSNSの時代です」なんて言ってたころで、ビジネス書も「SNS」ばっかだし、どこを向いても「これからはSNSの時代だ」なんて言ってるけど、SNSを理解して楽しんでいる人なんてまだまだ少ない時代だった。

とあるクライアントさんから相談があって、「SNSを作ってほしい」という相談でした(この依頼方法も今と当時では受取方が変わるよなぁ)。
この当時はSNS=FacebookでX(旧Twitter)はあったけれど、Xはビジネスとか交流といった要素は低く、Facebookのように友人を多く作って交流を増やしていく(承認欲求の強い方々が目立ち始めた頃ですね)のがSNSみたいな感じがありました。話がそれた。聞くと、自社に登録している会員さん同士が交流するSNSを自社で持ちたい、ということでした。

当時「SNSのように登録者同士の交流が出来るような」機能が備わっているCMSとしてはOpnePNEというCMSが一般的でしたので、その時もOpnePNEを使いました。
初めてだったので、慎重に制作をしようということで、会員さん何人かのインタビューを動画で撮影し、対象者の特性を紙に書き出して組み合わせ、新たな人格を作り出して、それを基にユーザーモデルを作成していく、という「ガチのペルソナ作成」までおこない、色々と打ち合わせを経て、具体的に構築もしていた頃になって「実際の運用」的な話になったのですが

「ところでSNSって何をしていけばいいんですか? どうやってやってくんですか?」

と言われて頭が真っ白にw

え?今までの打ち合わせで、「会員さんに交流してもらって、そこで当社の改善意見を出してもらえたら」とか「会員さん同士で仲良くなってもらって友人とか相談相手を増やしてほしい」とか言ってたじゃん?そういうのを実施するんじゃないの???その担当者の方は実際に「自分が運営していく」というのを全く考えないまま打ち合わせをしていたのか、打ち合わせに参加はしているけれど、何を作っているのか、これから何をしていくのかを全く考えてなかったようです・・・。これも本当にあったIT怖い話です・・・。

 

自動で生成される勘違い

これもCMSです。そもそもCMSというものが勘違いされやすいものかもしれません。
CMSというものが登場しはじめた頃のこと。それまでのWEB制作(所謂、ホームページ制作)は1Pずつコード書いて、ページ数だけ、HTMLを設置していくわけですが、CMSの登場でページの量産が可能になりました(レイアウトが定型なものとか、お知らせ的なものが多いですけどね)。そうなると、管理画面に必要事項を入力して保存→公開されるとあら不思議、ページが追加されている!となるわけですが、これをどう都合よく考えていたのか、イメージが出来なかったのか、納品後にいただいた連絡でびっくりしたことが。

印刷会社の営業さんからの依頼で、CMSを使ったポータブルサイト的なものを作成しまして、納品した翌日のこと。
その営業さんから電話がかかってきました。内容を聞くと、ページが生成されていないということでした。
おかしいな、納品前にページ生成の機能はチェックしてあるし、サーバーの環境とかも合ってるし・・・。何がおかしいかな・・・と思い詳しく話を聞いてみると・・・
「○○○○という項目のページを作りたいんだけど・・・」
「その場合は、ここをクリックして、設定(入力)ページで項目に内容を入れて・・・」
「えっ?自分で入力しなきゃいけないの?」
当たり前です。念じたらコンテンツが生成されるCMSなんて聞いたことがない。
いくら、「コンテンツ生成が出来る」とはいえ、「(全)自動」ではないですよ。
他にも、検索でひっかからない、そもそもの項目がない、など色々と言われましたが、全て空白になっていました(だから打ち合わせ時に説明したし、納品時にも説明したじゃん・・・)。
びっくりするような話ですけど、実話です(過去にも掲載)

 

A4用紙でプリントアウトしたら何枚分?

WEB制作をするようになった初期の頃、本当に困ったのは技術より、「見積」です。
元々DTPのデザイナーだったので紙面デザインはある程度の工数や時間、相場があったのですが、WEBデザインやWEB制作になるともう工数が分からない。そこで行き着いたのが結局「紙に換算すると何枚分?」という意味不明な見積換算。LPならまだしも(縦に長いペラモノだからね)、WEBサイトをA4用紙で換算するのは頭悪い。

用紙設定で変わるし、そもそもプリントCSS組み込んでプリントアウト時に崩れないようにしないと正しくプリントアウトもされないし。これ言ってたのは何を隠そう、僕なんですけどね。30歳くらいの頃にWEB制作の勉強を始めたんですけど、その少し前からWEb案件はたまに相談されるようになっていたんだけど、こんなこと言ってスタッフを困らせていたw

 

これ以上動けないんだけど、どうすればいいんだ?

これはWindows95も発売されていない時期ですね。通っていた学校では「デジタルデザイン学科」なる当時の新設の学部にいて、Adobe製品を使ったデザインの授業を受けていたため、学校側からもPCを買うように言われていました。アルバイト頑張って、少しグレードの低いPerforma 6300(だったと思う・・・)を購入して家で使っていました。そのとき、同時ではなかったけど光栄の三国志5も購入しまして、そのPCでたまにプレイをしていました。

アルバイト中に携帯が鳴り、電話に出てみると兄貴からでした。「三国志5を俺もやってもいいか?」という電話だったので別にかまわんよ、と起動ボタンを教えて、簡単に操作を説明して電話を切りました。
そしてしばらくして、また電話が鳴ったので「なんだよ、忙しいのに・・・」と物陰に移動して電話に出たところ「マウスのコードが限界まで伸びて、これ以上動けないんだがどうすればいいんだ?」と言われました。

当時は有線マウスしかないような時代です。マウスでゲームやりながら少しずつ移動させていったらコード限界まで行き切ってしまったんでしょうね(コード1mくらいあるのに、どうやって遊んでたんだ?)。電話口に「ちょっ、コード断線するから引っ張るなって。戻せばいいじゃん」というと「どうやって戻すんだ?」と聞かれ、返答に詰まる。マウス操作なんて直感的な操作で触ってたから、その場ですぐに言葉が思いつかないw
結局、「マウスを一回、宙に浮かせて、手元に置けば、ポインタの位置はそのままに、マウス操作出来るだろ?」と説明して理解してもらえました。そんなバカなと思うかもしれないですけど、これ数年後に当時勤めていた会社でも同じこと聞かれましたからね。

 

とまぁ、WEB/IT小噺・昔話です。初期、黎明期でないと味わえない珍事です。今の50代40代はこういったことを大体経験してきているんじゃないかな、とw
よくね、ネタやジョークで「ITってなんの略?」と聞かれて「そんなことも知らないのか、Internetの略だよ」なんていう会話を眼の前で実際に聞いたことがあるくらいです(本当にいるんだ!ってびっくりした)。

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