クチコミ、「クチ」から「クチ」へ「会話」を通して行われるコミュニケーション。
これを「宣伝手法」とするかどうかはひとまずさておき、史上最も古い「情報伝達の方法」かと思います。

通常、クチコミは「知人、友人間」で行われることが多く、それ故にそのクチコミされた「情報」について信頼性・信憑性が高い、と言われています(その知人友人の距離によりますが)。

クチコミというものを自分なりに考えてみました。

クチコミが起こる、起きるであろうと思われる状況・状態

  • その情報が相手にとってメリットがあると自分が感じた時
  • その情報を伝えることによって相手に何かメリットが起こると感じた時
  • 自分の感動、感情を伝えたい、共有/共感したいと思った時

ではないでしょうか。

わかりやすいクチコミのシーンとして具体的に書きますと例えば映画や飲食店の場合、

  • 【映画】 映画を見て面白いと感じた → その感動を友人に伝えた → その友人も見たいと感じ見に行くことにした → 見た → また別の友人に伝えた。
  • 【飲食店】 美味しいと感じた → その美味しさの感動感情を伝える → 友人に勧める(若しくは一緒に誘う…リピーター) → 美味しいと感じる → また行く、別の友人を誘う。

あくまで例題なんで多少都合よくは書いてますが、大体こんな流れじゃないでしょうか。

さらにつけ足せば、本人たちは「クチコミをしている」という行為に対して無意識であることがほとんどです。
そして、その逆に「自分のメリットしかない」場合の「クチコミ」、これはクチコミではないと(僕は)考えています(自分本意で、自分にメリットがあるから伝える → 形式は「クチコミ」だが販売/営業と受け止められやすい)。

今まで自分がおこなった「クチコミ」を思い返してみてください。どうです?当てはまりませんか?
では、何故「クチコミされた情報」は伝わりやすいのでしょうか?

クチコミには情報「+感動」、「+好意」がある

先ほどの状況・状態を見てもらうと分かると思いますが「感動/感情」「相手に対するメリット(=それを伝えようとする相手への好意)」が「情報」にプラスされて伝わっています。
この「感動/感情」「好意(好意も感情ですけどね)」が相手に伝わりやすいのではないでしょうか。

例えばテレビCMなんかで通り一辺倒な謳い文句なキャッチや、商品説明よりも、見た人間の感想や感動のほうが伝わりますし、友人知人同士であれば「感性が近い」「相手の趣味嗜好を把握している」などの付加がありますから尚更です。

そして更に「それが好きである(好意的な感情を持つ)」ことが重要ではないでしょうか。
「その映画を好きになった」「その料理を好きになった」など、その「情報」を「好き」になったという感情が発生し、それが相手にとってメリットがあると感じたからクチコミしてしまうのではないでしょうか。
つまりその「情報」に自分の「想い」がなければ意味がない(何も伝わらない)ものと僕は感じてます。

だってそうじゃないですか?普段何気ない会話で出てきてる「クチコミ」って「すっげー」とか「おもしれー」とかそういった感情を表す言葉がありません?

だからそれが伝わることで相手も動くんじゃないでしょうか。

クチコミがもてはやされてるのは?

クチコミがモテはやされて(同時にトラブルも招いてますが)いますが、理由として思いつくのは

  • クチコミは広まりやすく、「確実性が高い」と思われている
  • 「知人・友人(恋人もかな?)」のクチ、または発言力のある人、自分が好意的に思っている人間(有名人や知識 人等含む)のクチを介して行なわれ、そのクチコミされた情報には知人・友人との「信頼関係」や、お互い、またはその人の持つ社会性やステイタス、信用・信頼等が大きく関わってくる。
  • 費用が安い(マスメディアに広告出すことに比べて、またはマスメディアに広告出稿した場合の費用対効果を見ると)、若しくは無料である。

などが主な理由かと思われますが、「クチコミ=好意的な情報が伝播する」というわけではありません。あくまで「情報伝達の経路」の一種であって、否定的な情報もある、ということです。
否定的な感情がクチコミされ、それは早く伝わりますし、更に言えば基本的に人間は「好意的な情報」より「否定的な情報」を信じてしまう一面を持っています。

手っ取り早いクチコミ???

先ほど、何気ない会話であると書きましたが、クチコミって無意識というか「思わず言ってしまう」とか自然な会話の流れ、自然に無理なく伝えていることが多いですよね。

それを意図的に手っ取り早くやろうとしてるのがPPP(ペイ・パー・ポスト)と言われるサービスであったりマルチレベルマーケティングであったりではないでしょうか?

PPPについては一時期非常に「流行り(?)」ましたが最近はどうなんでしょう。

PPPのリンク先のページを読んでいただくとわかるかと思いますが、ユーザー間での情報のやり取りは別に問題はありません。
各ユーザーが自己責任でおこなうだけですから。
しかし、その背後に企業がいて「利益」をもってそのユーザー間のやり取りを操作しようというのは問題があると思います。

意図的に広めることが不可能とは思いませんが、そこには地道な労力と時間が必要で企業とユーザーでしっかり手をとって取り組んでいかなければならなく、多少のトラブルや問題が起きてもビクともしない体力と迅速な対応力が必要になってきます。

例えば何かの商品を意図的に広める、というのであれば

  • その商品に対する知識を学ばなければならない。
  • その商品を好きでいることが重要。
  • 実際に使ってみなければ感想や感動は話せない。
  • 法律(サプリメントであれば薬事法とか)も学ばなければいけない。
  • 企業とユーザー間のコミュニケーションがしっかりとれていることが必須。
  • ルールをきっちりと策定する。
  • ルールを守らなかった場合のペナルティを課すこと。

これらのことが出来なければ難しいと思われます。
(マルチレベルマーケティングに関しての説明を書くと長くなりますし、様々な意見があるため割愛しますが、それを仕掛ける企業がいいか悪いかの差です。僕個人的には否定も肯定もしません )

過去クチコミで流行ったもの(と聞いているもの)

過去にクチコミで流行ったものとしては

  • たまごっち(女子高生の間で広まってマスメディアが取り上げて爆発したと聞きました)
  • 携帯電話(これは事業として説明して回った人たちがいた、と聞いています)という文化・風習
  • 口裂け女(CIAが実験でとも、岐阜の大学がとも言われてるけど実際に小学生間で発生して全国的にクチコミで広まった都市伝説 → Wiki参照
  • DRYビール(クチコミ部隊を作って広めた、と聞いたことがあるんですが確証が得られませんでした)
  • BOOWY(精力的なライブ活動の結果、クチコミでファンが増えて、火が点いたと聞いています)

まだまだあるんでしょうが思いついたのはこれぐらいです。

どちらかというと「意図的」を狙っての事例が多く感じられますが、リアルにクチコミだけ、WEBのみでクチコミ(カキコミ)というのではなく、そのクチコミによってユーザーが集まり、そのユーザーが「市場」という土台を形成し、その市場をマスコミが取り上げたことで爆発したと考えたほうがいいでしょう。

クチコミさせるには?

WEBにしろリアルにしろ「クチコミ」というのは「不特定要素」が多く、なかなか狙い通りにはいきません。

だから「確実にクチコミしますよ」なんて言えないし、気軽に提案できるものではありません(情報操作して、「肯定的な情報しか流さない」のは最早クチコミではなく、それをやったとしてもリピートにはつながらず下手をすると却って自社のブランドを傷つける可能性もあります)。

「クチコミしたくなるほどの何か」がなければクチコミは起きません。
その「何か」はモノによって変わりますけど例えば品質だったり、新しい価値観であったり、文化・風習であったり、金額であったり、影響力を持った人物であったり、それと「タイミング(運)」ですか。

その「何か」と「タイミング」が上手くかちあったときに火が点いて一気に広まる、そう僕は考えています(タイミングがいつ来るかわからないから日々の研鑽や準備、機会を伺う姿勢が大事です)。

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