「未払い」ってありますよね。ま、どの世界にも、どの業界にもあると思います。
支払う能力がなかったり、請求書が実は届いてなくて入金が出来なかったとか、人のやることなんで単純に忘れてた、とか、支払う気がない、とか・・・。
理由はいろいろあれど、正規に提出されたもので、お互いの約束、契約、納得のもとで発生した取引であり、その対価としての報酬なんで、支払いの義務はあります。

一般的な商取引、というかそんな各業界色々と転職しまくってるわけでもないので細かいことはわかりませんが、通常は契約書を交わし、その契約書に記載されたサイト(期間)に合わせた支払いをしたり、支払いに遅れた場合は契約書の内容に基づいて遅延金が発生しますので、対応したり、調整や交渉したりってとこだと思います。

ところが、制作業界は契約書を結んでいることが少なく、口約束だけでやり取りしていることが多く、支払いも曖昧にされることが多いんじゃないかなって気がしています。
今回は過去に合った未払いとその時の対処を簡単ですけど記載しようかな、と。

一番最初の未払いは泣き寝入り

一番最初に未払いに直面したのはフリーランスになって間もない頃でした。
飛び込み営業をやっていて、通販商品(通販だけでもないですが)を企画する会社さんに飛び込みました。通販会社さんの商品パッケージの作成やLPをいくつか経験していたので、数回訪問させていただき、とある商品のパッケージをご依頼いただきました。

クッションだったかなー。もうなにか商品忘れてしまいましたが、クッションの商品パッケージである箱のデザインの依頼を受けました。
元々DTPのデザイナーだったので、商品サイズを測り、展開図を作成して画用紙に出力、実際に組み立てて商品が入ることを計測し、通販会社さんにも見せて確認をしていただきました。その結果問題なし、ということで、デザインだけの依頼だったので、データ納品をして終了という案件でした。5万円くらいだったかな。

データを納めて翌週ぐらいだったかな、その通販会社さんから電話がありました。
「今回作ってもらったデザインですが、あくまで展示会用のサンプルです。それにサイズが合ってない。こっちで作り直したから、今回のデザイン費用は払えません」と一方的に言われました。電話を聞いて「は?え?え?」って。あまりに突然のことであるのと、先方の社長からの直電、今までに話してきた商談の内容とまったく違うので、頭のなかで整理がつかず、「はぁ」と。電話を切ったあとで、サイズが合ってない?そんなわけないし、確認もしてもらったし・・・と思いましたが返事もしてしまったし、そして、まぁ、デザインが採用されないなら仕方ないのかな・・・と自分を納得させました。

そして後日、その商品が並んでいるお店にたまたま行ったところ、並んでいる商品のパッケージに使われているデザインは僕がデザインしたものでした。

「やられた・・・」って思いました。そんなのアリかよって。
他の通販会社さんや出入りしている業者さんに知り合いがいたので、このことを話してみると、「あーーーーー、評判悪いよ、あの会社。というか○○社長さん。そういったことはたまに聞くよ。やられちゃったねー」って。このときはどう対処していいかわからず、そのまま泣き寝入りしてしまいました。

未払いになりかけたけどなんとか回収した400万

ECの商品ページとカタログなどの印刷物の出力をデータベース連携させたシステムを開発することになりました(総額で1000万)。
WEBシステムと基幹システムの連携、それにWEBサイトのリニューアルからのシステム連携、という内容です。まずは先にシステム同士の連携とデータベースの開発に取り掛かりました。

システム開発は問題なく終わり、この部分は外注さんに任せていたので、そのまま外注さんにお支払いしました。上乗せ一切なく(600万)。
そして、こちらの作業に入り、WEBサイトの設計デザイン、システム、印刷物作成の講習、テンプレート作成などを実施。打ち合わせを重ね、途中の段階を見せながら進めていき、納品間近というところで、仕様が違う、更に追加機能がほしい、と言われました。

仕様に関しては、根幹に関わる部分でもあったし、仕様変更には応じられるわけもなく、機能追加に関しては、当然別途請求が通常です。
途中の打ち合わせを議事録に書いていなかったため、仕様に関しては確認を取りつつ進めたことを証明できず、そして機能追加には当然別請求が必要ですし、これ以上開発期間が伸びるのはこちらとしても本意ではないので一回精算したい。

結局、全て対応するなら払う、対応しないなら払わない、ということで、残り400万を支払っていただけないことになりました。ココ最近はこのシステムの作成の掛り切りだったおかげで他の仕事も入れていない。そのためほかからの収益はない状態です。担当者も打ち合わせに出てこなくなり、連絡もつかない。先方の法務部さんとひたすら交渉することになりました。こちらが全て確認を取りながら進めた、ということをお伝えしても証拠がない、と言われ、担当者に聞いてください、と言っても聞かされていないとなっています、と言われ途方に暮れました。

結局、最終的にはお支払いいただきましたが、納品間近となってから2ヶ月を更に要しました。

  • 今まで作ってきた資料を全て法務部に再提出
  • メールでのやり取りを全て提出
  • 何度も訪問して今までの経緯などを説明
  • 仕様変更には応じられないが機能追加は応じる

ということで、400万を支払っていただけることになりました(この事件のあと、プロジェクトマネジメントに出会う)。内容証明なんかも送ろうかと思いましたけど、交渉でなんとか収めたほうが払ってもらえる可能性が高いだろうと思い、交渉でなんとか収めました。

内容証明の送付

内容証明の送付は過去に一度だけやったことがあります。
上記の件とはまた別ですけど。なんで書いたのか忘れましたが過去に1回だけ書いたことがあります。すっごいめんどくさかった。
内容証明ってのは郵便局のサービスでして、「いつ、いかなる内容の文書を誰から誰あてに差し出されたか」ということを郵便局が証明してくれるサービスで、決して「文書の内容が真実であるかどうかを証明するもの」ではないです。

これ、費用が支払われない、トラブルが起きたら内容証明って聞きますけど、「送付された内容の真実を証明」って思われてる人が多いから?ってふと思いましたが、最初の内容証明を記載する際に、「これってただ単に請求書を間違いなく送ってますよっていう証明なだけじゃね?」って思いまして。それにどんな効力があるの?ってふと思ったので400万未払いのときは使わなかったってのもあります。見積もりもシステムの請求書(600万)も手渡しで支払っていたので。
詳しくはこちら「内容証明」
内容証明郵便は、どのような効力を持ちますか?|法テラス

未払いに遭ったら

当然ですが泣き寝入りする必要はありませんし、減額してくれたら支払いに応じるとか値引き交渉に対価を人質にする行為とか、に応じる必要はありません(ま、ここらは人それぞれですが。モメるのが嫌で見積もりに余裕があればいいでしょうし)。契約書を交わせばいいことですが、フリーランスですとなかなかそこまで出来ないこともありますし、短納期のものなど特に契約を交わしたり、条件を決めている時間がないものなどあります。

支払い期日に入金がなかった場合、「たまたま忘れてる」「手違いがあった」という可能性もありますので、いきなり「わざと入金していない」なんてことは思わずに、まずは担当者にご確認願えますでしょうか、と連絡してみましょう。依頼側の担当者だったり、経理担当者であったり。何度も続くようであれば、それは依頼側の経理部門がまとも機能していないか、自転車操業過ぎて現金がない、とかの可能性もあります。あとは何があるかなー・・・わざと入金しない・・・リスクしかないからなぁ・・・。やっぱり現金がない、か、経理が機能してない、かのどちらかしかないよなぁ・・・。

待てど暮せど、経理側からもメールもない、電話もない(通常、こういった場合、理由は何にせよ支払いが出来ない場合は支払い側は待ってもらうように交渉するかして、合わせて謝罪はするべきでしょうね)場合は、法的手段かなー。一ヶ月くらいは待ってもいいかもしれませんけど、甘やかすのもおかしいですしね。何にせよ、こういった企業との付き合いは避けたほうが懸命ですし、次回依頼があった場合は契約書を交わすなりするといった対策が必要ですね。あ、法テラスに相談してみるのも手ですね。
かんたん解説「法テラス」|法テラス

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