分析・解析やっている立場からすると、このAIの異常なくらいの進化(速度)は脅威に感じる部分もあれば、興味を唆られることも多く。
AIオーバビューやAI検索が増えたことに依る対策(いわゆる、AIOやAEOと言われる部分ですね)は急務ではありますが、どういったものがAIに拾われやすいか、というと、まだまだ手探りの状態です。
それでも、SEOを意識して(小手先のじゃないですよ)キチンとやっていて、ユーザーのためのサイトや記事を掲載(所謂、コンテンツSEO)することがまずは大事だ、と言われています(AIも実際に検索して拾ってきているわけですからね)。
そんなAIにどう拾ってもらえているのか、どんなワードで自社サイトがかかっているのか、これは分析・解析をやっている人間でなくとも興味があるところでしょう。AIも検索して探してくるとはいえ、検索クエリとイコールではないですし。(あとは正直、今はまだ過渡期なので、各AIがどのソースを重視するかもどんどん変わっています。あまり細かいテクニックを追いかけるより、情報の質と鮮度を保つほうが長期的には効くと思います。)
検索クエリを調べられるツールとしては、Googleのサーチンコンソールがあります、が、AIの引用につぃてはやっと一部の海外アカウントに実装されただけで、まだまだ使えないユーザーも多く、また使えるユーザーからは機能が少ないといった報告も出ています。
Google、Search ConsoleにAI検索パフォーマンスレポートをリリース!(ただし問題点あり?)
で、そんななか、検索市場においては後塵を拝しているMicrosoftのCopilotのほうが先に「AI サイテーション」を実装しています。
(前置き長い)
Contents
サイテーションとは
サイテーション(Citation)は、英語で「引用」や「言及」を意味する言葉で、自社名・店舗名・サービス名などがWeb上でリンクを伴わずにテキストとして記載されることを指します。ブログや SNS、地図サービスなど、さまざまな場所での言及がこれにあたります。
被リンクとよく混同されますが、ハイパーリンクで他サイトから自サイトへ誘導する被リンクとは異なり、リンクなしで名前や情報が触れられることがサイテーションの特徴です。
なぜ重要なのか
ローカル検索(MEO)への影響として、Googleマップでの表示順位には、Googleビジネスプロフィールの情報とWeb上に記載された店舗情報(名称・住所・電話番号)の一致度や言及数が関係するとされています。また、SNSや口コミサイトで話題にされることで認知度や信頼性が高まり、指名検索や直接流入の増加にもつながります。さらにAI検索においては、あるブランドがどの文脈でどれだけ専門的に語られているかを判断する材料の一つとして、サイテーションが参照される傾向があります。
Microsoft Clarityに「Citation」という機能があります。これが現状、1番使えるAI対策の分析ツールじゃないか、と。詳しくは「Microsoft Clarity 研究所」さんでも説明されています。
画面構成としては

①Citations(ページ引用数)
期間中に自ドメインのページがAIの回答内で参照された回数の合計。1つの回答の中で同じページが複数回使われた場合も、その都度カウントに加算される。
同じクエリに対してAIが引用したすべてのドメインの中で、自ドメインが占める引用の割合。数値が高いほど、そのクエリ領域で競合より優先して参照されていることを意味する。
③AI referral traffic(AI経由の流入)
全セッションのうち、AIの回答を経由してサイトに訪れたセッションが占める割合。計算式はAI経由セッション数 ÷ 全セッション数。
④Grounding queries(グラウンディングクエリ)
AIが回答を作る前段階で、関連情報を収集するために実行した検索語句のこと。どういった問いに対して自分のコンテンツが使われているかがわかるため、AIがコンテンツをどう位置づけているかを読み解くヒントになる。
⑤My cited pages(引用されたページ)
AI生成の回答に使われた自ドメインのページをURL単位で一覧表示したもの。引用回数とあわせて確認することで、AIから信頼できる情報源として扱われやすいページがどれかを把握できる。
⑥Trendlines(トレンドライン)
引用されたページ数とクエリ数の時系列推移を示すグラフ。コンテンツの更新やAIの挙動の変化が、引用状況にどう影響しているかを継続的に観察するために使う。
右上にある「Data source: Microsoft Copilot and partners」ですが、
・Microsoft Copilot:BingのAI検索・CopilotチャットなどMicrosoft自身のAIサービス
・partners:BingのインデックスとグラウンディングをベースにしているChatGPT(OpenAIとの連携分)も含まれます。
つまり「Bing基盤を使っているAIサービス全体」からのデータということです。
重要な注意点として
Google AI Overviews・Gemini・Perplexity・Claudeなどはこのダッシュボードにはカバーされていません。あくまでMicrosoftエコシステム内の話です。なのでClarityのCitation数はBing系のAIに引用された回数であり、GoogleのAI検索での引用状況は別途確認する必要がある、ということになります。
数値で見てみる
①Citations(ページ引用数):期間中に自ドメインのページがAIの回答内で参照された回数の合計が「454」
②Share of authority / SoA(AIに選ばれる割合):同じクエリに対してAIが引用したすべてのドメインの中で、自ドメインが占める引用の割合が「25.88%」
※これは、Copilotの中での話。
③AI referral traffic(AI経由の流入):全セッションのうち、AIの回答を経由してサイトに訪れたセッションが占める割合が「1%未満」
※これは、「ゼロクリック現象」と言われるだけありますよね。引用はされているけれど、検索画面に表示されているだけで、実際にクリックされた率は1%未満ということになります。
④Grounding queries(グラウンディングクエリ):AIが回答を作る前段階で、関連情報を収集するために実行した検索語句のことは「クラッター」とか「インテグレーター」とか「マルチユース」とかですね。
⑤My cited pages(引用されたページ):AI生成の回答に使われた自ドメインのページのURLが「https://mutsu.me/blog/archives/718」や「https://mutsu.me/blog/archives/541」や「https://mutsu.me/blog/archives/852」ですね。実際にインテグレーターなんかは、このブログのよく読まれている記事にもランクインしているので、検索エンジン的にも評価が高いページなんでしょう。
見た感じの印象としては、25.88%というのは、思っているより高い印象です。いや、そうでもない?比べてないからわからんな。同じクエリに対して、だから例えば「インテグレーター」に絡むワードをCopilotにて調べた際の4回に1回は僕のこの弱小ブログが引用されるっていうことですね。そう考えると低い、のかもしれない。SEOやAIOを実施したい企業さんとしてはほぼ必ず引用してほしい、というところでしょうね。
気をつけなければいけないのが、URLが出ているからって、クリックされた、ユーザーが来訪されたわけではない、ということ。あくまで引用であり、実際にユーザーの来訪はありません。
My cited pagesはあくまで「AIの回答に使われたページ」であって、ユーザーがそのページを実際に開いたかどうかはこの指標からはわからなくて、クリックされたかどうかを知るには、GA4やSearch Consoleの流入データと照らし合わせる必要があります。
サーバーがAIボットを遮断している場合はどうなる?
先日、Claudeを使っていて、このブログの記事を読み込ませてみようと記事URLを貼ったところ、取得に失敗しました。以前までは出来たのにFetchが上手く働かない。
「fetch」とはデータを取得するという意味の英単語で、AIツールの文脈では「どこかからデータを読み込んでいる」ことを示しています。
具体的には、ウェブページを取得する場合にURL(例:https://example.com)にアクセスして、そのページの内容を読み込む操作です。人間がブラウザでページを開くのと同じようなことをAIがやっています。それが弾かれるようになって。調べたら、あまりに多くアクセスがあるとサーバー会社で一時的に遮断することもアリ得る、という回答。AIの回答なんでね事実かはわからないけれど、ありえなくもない。自動的にアクセスが多いボットなんかは遮断することもありますからね。実際に、Xサーバーには、サーバーパネルの設定の中に「AIクローラーのアクセス制限」みたいな項目があり、設定を変えられます。
AIに聞いてみた
Q.では、対象のサイトが格納されているサーバーが、fetchやAIボットの来訪を遮断していた場合、AIに拾ってもらえなくなる?
A.はい、その可能性は高いです。
ただ少し整理すると——
遮断で影響が出るケース
robots.txtでAIボットのクロールを拒否していたり、サーバー側でボットのアクセスをブロックしている場合、AIが直接コンテンツを取得できなくなるので引用されにくくなります。
ただし完全にゼロにはならないケースもある
・Googleなど検索エンジンのインデックスに載っている情報をAIが参照する場合、サーバーへの直接アクセスなしに引用されることがある
・すでにキャッシュされた情報が使われるケースもある
実務的な観点で言うと
セキュリティ目的でボットを広く遮断しているサーバー設定のサイトは、意図せずAIに拾われにくくなっている可能性があります。
なるほど、興味深い。インデックス(読込)はさせるけど、学習は許可しないっていう方法もあるみたいだし、こういうところは今後、気をつけないといけないですね。
調べる方法はある?
下記の方法で調べられるみたいですが、契約しているサーバー会社に聞いてみるってのも手です。
・robots.txtを確認する
https://ドメイン名/robots.txt に直接アクセスすると、どのボットを許可・拒否しているか確認できます。AIボット関連だと GPTBot・ClaudeBot・bingbot などが記載されているかどうかが見どころです。
・実際にfetchしてみる
Googleの「URLインスペクション」や「リッチリザルトテスト」でページをfetchして、正常に取得できるか確認できます。
・ログを確認する
サーバーのアクセスログにAIボットのアクセス記録があるかどうかを見る方法もありますが、これはサーバーへのアクセス権が必要です。
・Clarityのデータと照合する
Citation数がほぼゼロのサイトと、そうでないサイトのrobots.txtを比較するのが、ブログの検証としては一番わかりやすい見せ方になるかも。
BingのWEBマスターツールズにも「AI Performance」という機能がある

同じ期間で同じCopilotなのに、なんでこうも数字が違うんだろう・・・?サイテーションのページという項目は同じなのに、片や454で、片や807である。GAならこういうことがあってもなんとなくでも推察が出来るし、実際合っているんだけど、やはり慣れない項目だと考え方がわからない。
というわけでCopilotに聞いてみた
Q.クラリティのAIサイテーションの数字と、BingWEBマスターツールズのAIパフォーマンスで、期間が同じなのに数字が違うのは何故?
A.結論: クラリティ(Microsoft Clarity)の AIサイテーション数 と、Bing Webmaster Tools の AIパフォーマンス指標 が同じ期間でも一致しないのは、そもそも計測対象・データの取得方法・集計ロジックがまったく違うためです。これは正常であり、両者は「同じものを測っているわけではない」ことが原因です。
とのこと。
まず一言でまとめると
Clarity → ユーザー行動の分析ツール(サイト内でのAI利用行動を計測)
Bing Webmaster Tools → 検索エンジン側のデータ(AI検索での表示・クリックを計測)
つまり、片方はサイト内の行動データ、もう片方は検索エンジン外部のデータなので、数字が一致することはありません。
※クラリティのAIの可視性、Citationは、WEBサイトに流入するまえ(サイト内ではない)、Copilot上での数値のハズだけどね。
どこが違うのか(重要ポイント)
1. 計測している場所が違う
Clarity:あなたのサイトに訪れたユーザーの行動を記録。ページ内でAIがどのように使われたか(AIサイテーションなど)
Bing Webmaster Tools:Bing検索エンジン側のデータ。AI検索(Copilot検索)であなたのサイトが何回表示されたか、何回クリックされたか
※いや、だから、サイテーションはWEBサイトに流入する前の数字なのでは・・・。
2. 計測対象が違う
ClarityのAIサイテーション
・Copilot があなたのサイトを参照した回数
・ユーザーがAI回答を見た際に、あなたのサイトが引用された回数
・サイト内でのAIインタラクション
Bing Webmaster ToolsのAIパフォーマンス
BingのAI検索(Copilot検索)で
・表示回数(Impressions)
・クリック数(Clicks)
・掲載順位(Position)
を計測
→引用された回数 と 検索で表示された回数 は別物。
3. データの取得タイミングが違う
Clarityは リアルタイム寄り
Bing Webmaster Toolsは 検索エンジン側のバッチ処理
数時間〜数日遅れることがある
AI検索はまだ新しいため、データの反映が不安定なこともある
→同じ期間を選んでも、内部の集計タイミングがズレる。
※これおかしくないかな。下記に記述。
4. ユーザー行動の有無で数字が変わる
例:Bing AI検索であなたのサイトが引用された(AIパフォーマンスに表示)でもユーザーがその回答をクリックしなかったその場合、Clarity側には訪問が発生しないので数字が増えない
→検索で引用されても、サイトに来なければ Clarity は増えない。
※これおかしくないかな。下記に記述。
Copilotの説明がおかしくないか?ハルシネーションな気がする
「1. 計測している場所が違う」に関して言えば、サイテーションはWEBサイトに流入する前の数字である。
「2. 計測対象が違う」に関しては、Copilotに聞いた結果、Clarityはサイト内の数値、Bing Webmaster Toolsはサイトに流入する前の数値、と定義してしまっているけれど、これは間違いじゃないかな。確かに、Clarityはヒートマップや行動動画の録画など、サイトに入ったあとの動きではあるけれど。
「3. データの取得タイミングが違う」に関しては、タイミングがズレるにしたって、454と807じゃ開きありすぎるだろ。やはり集計軸が大きく違っている
「4. ユーザー行動の有無で数字が変わる」に関しては、ClarityのCitationはクリックが発生していない(⑤My cited pages(引用されたページ))=サイトに流入していないわけだし。そうなるとサイト流入前の数字である。
やっぱりおかしい。説明がつかない。
原因がわかった。答えは実装時期の違い。
クエリのワードを見ると、Bing Webmaster Toolsには「マルチユース」のサイテーションが110あるけど、Clarityのクエリにはない。もしかして、実装時期が違うから、拾えているクエリ、拾えてないクエリで差があるんじゃないか。
実装時期を調べてみた。
実装時期(公式発表ベース)
① Microsoft Clarity – AI Visibility / Citations(引用)機能
正式リリース:2026年5月13日〜15日
Clarityの「Citations」機能は 2026年5月14〜15日に正式リリースされたと複数の情報源が報じています。
追加情報:2026年6月にもアップデート記事あり
2026年6月2日付の記事でも「一般公開(GA)」と明記。
→ClarityのAI引用可視化は “2026年5月中旬〜6月初旬” に本格実装された新機能。
② Bing Webmaster Tools – AI Performance(AI引用状況)
ベータ版公開:2026年2月10日
Microsoftが 2026年2月10日にパブリックプレビュー(ベータ)として公開したと公式ブログが報じています。
複数のメディアが同日を実装日として報道
SEOタイムズ、マーケティング研究所なども同じ日付を確認。
→BingのAI Performanceは “2026年2月10日” に公開されており、Clarityより約3か月早い。
直近一ヶ月にして比較

計測時期を一年から、直近一ヶ月に変更。こういった計測ツールは昨日までの日で計測などをすると反映遅れや数字の修正が走ることがあるので(GAでもたまにあります)、2026/05/21~2026/06/20に変更して調査してみたら「48」でぴったりあった。要するに同じ計測項目で、計測の切り口も同じってことだよね。何が「そもそも計測対象・データの取得方法・集計ロジックがまったく違うため」だよ。
ただ、今回はぴったり数字合ったけど、別のツールであるため、もっと長い期間を調べたりすると、数件程度の誤差は出る可能性はありますね。
これ、Claudeでもこう言われて「ホントかよ」と思ったから、ではCopilotなら本人(人ではないか)だし、公式の見解や説明を出すだろうと思ったら、全く見当違いな回答。AIの怖さってここだよね。それっぽいことを、それっぽく書きやがる。(最近、AIと会話しているときに、自身のことを「個人的には・・・」って語りだすので、少しツボってますw)
まとめ
以前よりClarityは面白いツールだなとは思っていましたが、AIの引用数が見られるのはいいですね(Copilot上のみの数値ですが)。Googleも早く実装してほしい(一部の地域では実装されてはいるがまだまだ機能も低い)。検索市場のシェアの違いもあるのかもしれないですね。GoogleはBingに比べてクエリ量が半端なく多いだろうし。Googleに実装されたらまた紹介しますね。
