なかなか苦しい訳になってきてるけど、始めたなら最後まで!
「孫子の兵法×制作(web)ディレクション」の5回目です。
前回はこちら
今回は兵勢篇です。

兵勢(兵の勢い)ですね。
内容さえ良ければ進むでしょ?と思われるかもしれませんが、プロジェクトも生き物で生物(ナマモノ)で状況は千変万化しますので、その千変万化に合わせて動く必要もあるし、プロジェクトの進みが悪く、一旦止まってしまうと次動かすのにめちゃくちゃチカラが必要だったり、仕様の変更や予算の変更なども出てきます(最悪なのは仕様や機能が増えるのに予算そのままとか)。

マンガ孫子・韓非子の思想 (講談社+α文庫) (日本語) 文庫

兵勢篇

 

奇と正


大部隊を小部隊のように管理する、これは編成の問題である。
大部隊を小部隊のように指揮する、これは号令の問題である。
全軍が敵の攻撃にさらされ、しかも不敗である、これは奇と正との運用にかかっている。
石で卵を打ち砕くように無敵を誇る、これは虚と実との運用にかかっている。

→多くの社員やスタッフを、少人数のチームのように管理する、これはどのように組織化するのか、編成方法の問題である。
多くの社員やスタッフを、少人数のチームのように指揮する、これは指示を出す上位者の判断力や統率力の問題である。
チームで案件をこなしていくなかで、しかもNOミスである、これは正攻法な進行とトラブルやクライアントのわがまま、急激な変更などなにかあったときの対応力の組み合わせにかかっている。
石で卵を打ち砕くように無敵を誇る、これは交渉力と知識・経験との運用にかかってる。

 

奇正の変


総じて戦いは、正攻法で戦うものだ。
そして戦況の変化に応じた奇策によって勝利をおさめる。
奇策を身につけた将の戦いぶりは天地の変化のようにきわまりなく、
江河※の奔流のように尽きることがない。 ※[江河]長江と黄河
日月の循環のように巡ってはまた始まり、
四季の変化のように次から次へと生じる。
音階※の基本は五つにすぎないが、これを組み合わせれば無限に変化する。 ※[五音]宮・商・角・徴・羽の五音
色※の基本は五つにすぎないが、これを組み合わせれば無限に変化する。 ※青・赤・黄・白・黒の五色
味※の基本は五つにすぎないが、これを組み合わせれば無限に変化する。 ※辛・酸・カン・甘・苦の五味
戦いの基本は正と奇の二種にすぎないが、これを組み合わせれば無限に変化する。
正は奇を生み、奇は正となり、円環さながらに連なって永遠に尽きないのだ。

→総じて仕事や業務は、正攻法で進めるものだ。
そして状況の変化に応じた対応策によって納品まで辿り着く。
緊急時の対応策や非常事態を経験したディレクターの仕事の進め方は天地の変化のようにきわまりなく、
大きな河の流れのように尽きることがない。
日が上っては落ちるを繰り返し、四季の移ろいのように次から次へと生じる。
業務の進め方は正常時と非常/緊急時の2種に過ぎないが、これを組み合わせれば無限に変化する。
正常は非常/緊急時の余裕を生み、非常/緊急対応することで、正常に戻る。円環さながらに連なって永遠に尽きないのだ。

 

勢い


一瀉千里の激流が岩を押し流すのは、そのすさまじい勢いによるものである。
上空から襲いかかる猛禽が小鳥を一撃でうち砕くのは、焦点を絞るからである。
戦上手の戦いぶりも同じである。
その勢いは引き絞った弓のごとく、そのすばやさはバネを弾いたように、敵は抵抗する間もない。

→流れが速い激流が岩を押し流すのは、のすさまじい勢いによるものである。
上空から襲いかかる猛禽が小鳥を一撃でうち砕くのは、焦点を絞るからである。
仕事の進め方がうまいディレクターも同じである。
その勢いは引き絞った弓のごとく、その素早さはバネを弾いたように、クライアントは疑問を抱く間もなく、余計な仕様変更を思いつく間もない。

 

個々の能力よりも


戦上手は、戦いの大勢の中で勝利のきっかけを掴み、個々の兵士の失敗を追求しない。
そこで、適材適所の人選を行って、戦いに有利な体制を作る。
勢いに任せる将の戦いぶりは丸太や石を転がすようなもの。
丸太や石は平らな所では静止しているが、斜面に置けばたちまち転がり出す。
すぐれた将の作り出す勢いは、千尋の谷に丸太や石を転がすのに似て、
その勢いのすさまじさは防ぎようもない。
これが兵法でいう「勢い」である。

→上手いディレクターは、案件進行、業務を進めていくなかで成功のきっかけを掴み、個々のスタッフの失敗を追求しない。
そこで、適材適所の人選を行って、案件進行のなかで有利有益な体制を構築する。
『勢い』を理解しているディレクターは丸太や石を転がすかのごとく、一気呵成に進めていく。
丸太や石は平らな所では静止しているが、斜面に置けばたちまち転がり出す。
すぐれたディレクターの作り出す勢いは、千尋の谷に丸太や石を転がすのに似て、
その勢いのすさまじさは防ぎようもない。
これが案件進行でいう「勢い」である。

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