そろそろ疲れてきているけれど、「孫子の兵法×制作(web)ディレクション」の4回目です。
前回はこちら
今回は軍形篇です。

マンガ孫子・韓非子の思想 (講談社+α文庫) (日本語) 文庫

軍形篇

 

戦略目標


用兵に巧みな将は、まず有利な体制を作り出し、敵につけこまれないようにしてから、勝つチャンスを待ち受ける。
味方が不敗の態勢をとれるかどうかは、味方の手にかかっているが、敵のミスで勝利のチャンスがもたらされるのは、敵の出方にかかっているのだ。
戦上手は敵につけこまれぬよう万全の態勢を整えるが、無理に勝利を得ようとしない。

それ故、勝てるとはわかっていても、敵につけいる隙がない時は、無理に勝とうとはしないものだ。

守:勝てそうもない時は、守りの態勢をとる。
攻:勝てそうだという時、はじめて攻勢に出る。
弱:守るのは勝つ条件に欠けているから
強:攻めるのは、こちらに余裕があるからだ。

守り上手は地底の奥に隠れたかのように、敵に動きを察知させない。
攻め上手は天兵が駆け下るように、敵に防ぐ手立てを与えない。
このようにすれば、守る時は何の不安もないし、
攻める時は完全な勝利を収めるのである。

→仕事が出来るディレクターは、まず有利な状況を作り出し、客の要望や難題、無茶振りをされないようにしてから、進行や納品のタイミングを見計らう。
自社がミスなく、スムーズに進行できるのは、自社の手にかかっているが、客のミスや油断で進行や納品のタイミングが変わってくるのは、客の出方にかかっているのだ。
仕事が出来るディレクターは客の要望や難題、無茶振りに振り回されないよう万全の態勢を整えるが、無理に進行をしようとしない。

それ故、進行出来るとはわかっていても、客状況がまとまっていない時は、無理に進行はしないものだ。

守:進行できそうもない時は、守り(または情報や状況の精査)の態勢をとる。
攻:進行出来そうだという時、はじめて攻勢に出る。
弱:守り(または情報や状況の精査)をするのは進行する条件に欠けているから
強:進行するのは、こちらに余裕があるからだ。

状況がまとまっていないときは地底の奥に隠れたかのように、客に何を言われてもに動かない。
好機と判断出来るときは天兵が駆け下るように、客が躊躇する間を与えない。
このようにすれば、静観する時は何の不安もないし、
進行する時は完全な勝利を収めるのである。

 

まず勝ちて、後に戦う


戦上手はまず不敗の基礎を作り、敵に乗ずる隙を与えない。
そして、敵をやっつけるチャンスを見落とさない。
それ故、勝利者はまず必勝の条件を作り出してから敵と戦うのである。

失敗する者はどうか・・・
「今度は勝てるかなぁ・・・」「かまうもんかやっちまえ!」
その後、偶然の勝利を願う(だめだこりゃ。こんな手強いとは思ってなかった!)。

戦上手の勝ち方は、その知謀は人目につかず、その勇敢さは人から称賛されることもない。
なぜなら、勝つ自信があり、勝つという前提で戦うからだ。
すでに敗北の兆を見せている敵に勝つのは当然である。

→進行上手はまずミスが出ない体制を作り、失敗したり損害を被る、予算超過のような状況にはしない。
そして、案件を進めるチャンスを見落とさない(デザインの承認を得る、システムの承認を得る、予算の承認を得る、など)。
それ故、進行上手はまず必ず上手く行く条件を作り出してから案件を進めるし、そもそも受注をするのである。

失敗する者はどうか・・・
「今度は上手く進むかなぁ・・・」「かまうもんか取り合えす請けちまえ!」
その後、偶然、上手く進行されていって他力本願や偶然の納品を願う。
※この手のディレクターは多々いて、デザイナーさんやコーダーさんが思う「何だこのディレクターは!」って思うディレクターにはこのタイプが結構いるんじゃないかな、と。要するに無計画や準備が出来ないディレクターで、めんどくさがって、自分の仕事をデザイナーやコーダーに押し付けるディレクター。

進行上手の進め方は、その知謀は人目につかず、その勇敢さは人から称賛されることもない。
なぜなら、上手く行く自信があり、上手く行くという前提で進行させるからだ。
すでに納品の兆を見せている案件が上手く進むのは当然である。

 

戦いを決定づけるもの

すぐれた将は、軍政に明るく軍規を保つ。
それ故、勝敗を左右することができる。
作戦のたて方・・・
一、戦場と戦線の状況を判断する。
二、投入兵力の配備計画を決める
三、兵力と物資の数量を決める
四、双方の政治力と軍事力を比較する
五、勝算を得る。

地形にもとづいて戦うかどうかの判断が生まれ、判断にもとづいて配備計画が決まり、
配備計画にもとづいて兵力と物資の数量を決め、数量にもとづいて双方の実力を計り、
その結果、勝算を導き出せるのである。

戦に勝つ者は、通常、有形無形の優勢な兵力をすべて決戦地点に集中する。
それはちょうど一鎰の重さを一銖(鎰の約五百分の一)の重さにぶつけるようなものだ。
敗者はその逆で、絶対的な劣勢にある。(※鎰:約384g)

勝利のきっかけを握った軍が戦えば、八千丈の高さからまんまんとたたえた水を放出したような勢いで、到底支えられない。
敵が抵抗するすべがない形勢とは、こういう状況をさす。(※丈:約225cm)

→すぐれたディレクターは、道理に明るくルールを守る。
それ故、進行がうまくいくかいかないかを左右することができる。
作戦のたて方・・・
一、案件内容と現在の進捗の状況を判断する。
二、投入スタッフの配備計画を決める
三、作業人員と予算の数量を決める
四、クライアントと自社の上層部の比較、プロジェクト体制図で権限者や関係者を確認する
五、勝算を得る。

状況にもとづいて請けるかどうかの判断が生まれ、判断にもとづいて作業人員の配置計画が決まり、
作業人員の配置計画にもとづいて関係スタッフと予算の数量を決め、数量にもとづいて双方の実力を計り、
その結果、勝算を導き出せるのである。

案件進行が上手い者は、通常、スタッフの能力をすべて各段階に各段階における決戦地点に集中する。
それはちょうど一鎰の重さを一銖(鎰の約五百分の一)の重さにぶつけるようなものだ。
上手く行かない者はその逆で、一人でこなそうとしたり、スタッフの能力を集中させず、散らしてしまう。

勝利のきっかけを握ったチームが戦えば、八千丈の高さからまんまんとたたえた水を放出したような勢いで、到底支えられない。
クライアント社内の反論や自社内の反対勢力などが抵抗するすべがない形勢とは、こういう状況をさす。(※丈:約225cm)

 

今回はちょっと無理やり感があったかな・・・。

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