昔書いていた記事がもうほんとにネタ切れでかと言って新規の記事もそうそう書けないので、昔書いたネタを再検証でもしてみる。

Webサイト構築注意点
幾つかサイト構築の各段階で知っておいていただきたい、という注意点をまとめておきます。これは弊社が今までおこなってきた作業の中で実際に起こった事例も織り交ぜてご紹介いたします。

ドメインの取得 ~「短く・覚えやすいドメインを」~
ドメインというのは「URL」ともいわれ、いわゆる「アドレス」と思っていただいても間違いではありません。御社のサイトの「住所」を表します。

新規サイト立ち上げの場合はこのドメインを取得しなければなりません。
主なものとして「.com」「.net」 「.co.jp」「.jp」「.bz」 などがあります。これらに「~.com」の「~」に当たる部分を決めて登録します。

「早いもの勝ち」でして既に誰かが同じドメインを取得していた場合、そのドメインは使えません。また、覚えにくい(スペルが長い、間違えやすい、読み違いを起こしやすい)ドメインはユーザーが倦厭しがちです(全てのユーザーが検索やリンクからの流入ではありません)。
ドメインは出来る限り短く、覚えやすい・わかりやすいスペルで登録されることをおすすめします。

  • 間違いじゃないけど、「.bz」 は一般的ではないよね。ビジネスは「.biz」だし。
  • これ書いたときは「◯◯で検索」がまだ無い頃か。

サーバーホスティング ~金額の違いには理由があります
ドメインを取得したら次はサーバーです。サーバー会社によっては(契約したら)無料でドメインを進呈、というサービスを行ってるところもあるので一概にドメイン→サーバーという流れになるわけではありませんが、大体ドメイン→サーバーという流れになると思います。サーバーの選定は慎重に選ばれることをお勧めします。

サーバーは各会社様々なプランを用意しています。選定の判断基準となるプランの内容を読むと専門用語・使えるプログラム名などが多く並んでいるため、イマイチ分かりにくい内容になってる感は否めません。そうなってくると次に判断基準となるのは「金額」です。「コスト削減」(WEBサイトの効果が分かりにくいとよりその傾向が強いですよね)の面からとにかく安いサーバーを、ということになってしまうのですが、これはあまりいい選択ではありません。

もちろん安いに越したことはないのですが、何故安いのか?それは機能面(使えるプログラム)だったり、セキュリティの面、容量といったところで大きく差があるから、金額にも差が出るわけです。もちろんただ高いだけのサーバー会社もありますので高い=いいサーバーとはなりませんが。
下記にサーバーに関するトラブル事例を幾つかまとめてみました。

安いサーバー会社に移転したとたん、迷惑メールが増えた。
アフターフォローがいい加減で、対応が悪い。
ハッキングされた。
ドメインの移管の手続きがかなり面倒、対応が遅い。
すぐ不具合(サーバーが落ちる)を起こす。

などは割と聞く、内容です。サーバーの選定は御社がサイトで何をしたいのか?どんな機能を実装させたいのか?というのをはっきりと決めたうえで、制作の担当、社内の担当者と機能、金額、容量を総合的に判断されて決められると良いかと思います。

また、今は使わないにしても将来的に容量の大きいデータやデータベースを構築して、多くの製品や商品、その他ネット上での管理を予定しているのであれば、ある程度余裕のあるサーバー容量のプランで契約された方がいいかもしれません。

  • もう今ってかなり値段落ちてるし、セキュリティもどうなんだろう?そんなそこまで悪いところってないんじゃないかなぁ。
  • 却って高くて有名企業(もうホントの国営?ってくらいのとこ)だと小回り効かない話は聞いたことあるかな。

著作権 ~「責任は持てません」~サイトの制作を行うにあたって、原稿をいただきます。
通常、クライアント様が保持している写真だったり、コピーライターなどに依頼して作成するのですが、たまにあるのが「このサイトから持ってきて」という一言。

親会社・関連会社ならまだわかるのですが、これが単なる「同業他社」のサイトとなると話は変わります。同じような業種の場合、似てしまうのは多少否めないところはありますが、それでも原則的には変えるべきですし、戦略の面から見ても「他社と同じ」、というのはあまりいいサイトではありません。

サイトにはフッタ部分に「 ALL Rights Reserved 」と著作権を保持しているという一文が入っています。インターネットの世界はまだまだ「著作権」の考えは希薄な部分あります。個人が非商用で、というのであれば認められている場合もありますが、企業間ではあり得ません。

また、レイアウト・デザインなどもそうですがユーザーの使い勝手や、見やすさ等を考慮すると多少似通ってくる部分はあります(3カラムとか2カラムとかそれぐらい大まかな部分で)。

ですが、パーツの色を変えただけ、とかレイアウトの位置を逆にした、素材を置き換えただけ、ではその基となった企業が見た際にすぐに分かってしまいますし、その基となった企業も戦略的に考えられて作ったサイトなので、それ(レイアウトやパーツ、コンテンツ内容)がそのまま御社の戦略にも有効に働くとは思えません。戦略は基本的には各社の状況に沿って作られるものと弊社は考えております。

  • ソーシャルが高まった分、希薄化は進んでるかも?企業レベルでは減ってるかもしんないけど。
  • 素材とか、海外の写真とかね。

ページ内情報量 ~「ページが開きにくい&ユーザビリティの低下」~
一つのページ内に「あれもこれも」と情報をつぎ込んだり、写真を入れたり、確かにページをまたぐことなく色々な情報を見ることが出来るかもしれませんが、これはあまり意味がありません。

紙媒体と違い面積が限られていない(原則的には)のですがやたら情報をつぎ込むと、ユーザーは読む気を失くします。また写真等が多ければ重くて開きにくい、ということもあります。では読みやすいよう行間を空けて、全体的に広く、文字を大きく・・・としても今度は縦に長細くなって(それがデザインとして、狙ってなら構いませんが)スクロールを何回もさせてしまう、これはユーザーにとっては「めんどくさい」行為となるわけです。

コンテンツの内容がいい、ユーザーの興味が深ければ最後まで読んでくれたり、見てくれるでしょうが基本的には「1画面内若しくは2画面内」で収めた方が無難かと思われます。

意外と自分では気づかずに「あの情報も」「この情報も」となりがちです。じっくりと説明したい部分はそこからリンクで「説明用のページ」に飛んでもらうようにすれば、興味のあるユーザーはその行為を「めんどくさい」とは思わずにリンク先に飛んでくれます。

  • これはもう完全に該当しないですね。古臭いなw
  • 詰め込むことがいいことか、というわけではありませんが、PCの性能、回線速度、スマホ、どんどん閲覧環境は良くなってるし、縦に長いサイトは増えてますね。

そして、モニタサイズも各ユーザーによって変わります。大きなモニターで見てるユーザーもいればノートPCのような小さなモニターで見てるユーザーなどモニターサイズはバラバラです。

当然、モニターサイズが変われば見え方も変わります。自社のモニターサイズが大きいからといって、それだけに合わせるとユーザーのモニターでは切れてしまってたり、おかしな見え方をしてしまってるなどの事例もあります。その辺りはアクセス解析を行ってわかる場合もあるので制作会社と話し合って決められると良いかと思います。

  • これももう完全に該当しないですね。レスポンシブ対応になっていれば、ですが。

ごくまれに言われるのですが、Webブラウザ上で文字の「長体・平体」は出来ません。印刷物と同じように思われてる方に多いのですが、字詰めや禁則処理(。や句読点を改行させないように収める)は対応していないため、出来ません。
もし改行されたときにおかしいと感じた場合は書体のサイズを変える、文字が入る面積を変える、かしないと変更できません。

  • ま、それもレスポンシブやら見る媒体によって変わるんですけどね。
  • ただ、未だに、長体平体はたまに言われるし、禁則処理も多い。

ブラウザ ~「ブラウザによって見え方は変わります」~これは前頁に関わることなのですが、インターネットを閲覧する際にブラウザというものを立ち上げます。このブラウザには幾つか種類があって、ユーザーによってバラバラです。

今、国内で最も使われているブラウザは「Internet Explorer 6.0」です。最近、徐々に「7.0」が増えていますが、まだまだ6.0が主流な状態です。同じブラウザでもバージョンが違えば見え方も変わってくるため、制作会社にキチッと対応させたいブラウザに対応するように指示を出した方がいいでしょう。

逆に、ブラウザチェックを行わない制作会社には依頼するべきではありません。自社では何の異常もなく表示されているサイトがユーザーによってはとんでもないレイアウト崩れを起こしている可能性もあります(プログラムやコンテンツ内容によってはどうしても崩れたり、表示できないものもあるため、100%対応というのは実質不可能ではありますが)。

  • 言うまでもなく古い。IE6だと?多分、8も出てる時代だけど、クライアントさんはほぼ6だったからじゃないかなぁ。
  • 最近は逆にこのバージョンには対応させません、こっちから指定することが増えてる。

担当者と決定権 ~「お互いに手間を省き、無駄なコストは下げましょう」~
これは良くある話で、以前誌面でも取り上げられ反響を呼びました。打ち合わせの際に制作スタッフとクライアント側の担当者様で打ち合わせを行い、デザイン・設計構築を行っていきます。若しくは制作スタッフと代理店様というカタチになります。

ここで問題となってくるのが「決定権を持っている人間が打ち合わせにいない」ということ。これにより様々な問題、トラブルが発生し、無駄な時間もコストも発生してきます。

弊社で起こった事例ではデザイン案を提出→色とレイアウトの変更(代理店)→また色の変更(代理店)→色とデザインの変更(企業担当者)→色とデザインの変更(企業決定者)→結局、一番最初に提出したデザインに決定という事例があります。

一番最初のデザイン案をクライアント側は「提出されてないから初めてみた」ということでした。このやりとりだけで1~2ヶ月ほど経過していました。ある程度余裕を見ての制作期間だったので納期には間に合いましたが、結局見てた余裕が最終的には「ギリギリ」の納品になってしまったことがあります。同じような経験をされてる方も多いはず。

「決定権を持ってるのは社長だけど社長が打ち合わせに出るのは・・・」とか「決定権を持つと同時に責任も被らなければ・・・」というのもあると思います。ですが、今回のこの事例は3社(3者)が無駄な時間とコストがかかり、お互いが不満を持ちながらのプロジェクトに変わってしまいました。これはお互いが望むカタチでは当然ないでしょうし、お互いの(担当者等の)評価も下がります。避けられるなら避けるべき問題でしょう。

回避する方法としては
決定権を持つ人間が打ち合わせに出る。
各担当者が決定権と責任を持つ。
打ち合わせの議事録を作る。
初期の打ち合わせを時間がかかってもしっかり行う。

  • これは未だにあるなぁ・・・。
    制作やデザインなんかは曖昧だし、好みが入るし。結局トライ&エラーなんだけど、代理店も持っていかないってのはないわな。
  • クオリティの担保が難しいし、結局、客が気に入れば問題ないんだけどさ。

と、いったところでしょうか。ヒアリングシートの記入もこういった問題を減らすべく作成し、記入をお願いしております。

回避する方法はほかにもあるかもしれませんが、弊社としては上記のように考えています。もちろん、全てがスムーズに1回も修正や変更なく、作業が終了するとは思っていませんが、お互いに「無駄」と感じる部分は削るべきだと思います。

コンセプト/意図 ~「クライアント様とそのエンドユーザーのために」~
企画書、初期デザインの中で「コンセプト」や狙い、というのを弊社では設定して作成しております。

ヒアリングシートの内容や、そのクライアント様の社内状況、業界の動向など、出来得る限りの情報を集め「企画書の作成」を行い、エンドユーザーの視点、アクセシビリティ、ユーザビリティなどを意識して「デザイン」、「レイアウト」、「設計」を行っております。

しかし、中にはそういったそのクライアント様のための「意図」を全く読まず、主観視点での指示やご意見を言われることもあります。読まれない「意図」に関しては、「読まれないような内容」の企画書等を書く弊社の無能力さ、もありますが「クライアント様とそのエンドユーザーのために」という気持ちで作成しておりますので読んでいただけると幸いです。

これは決して「弊社の指示に従ってください」というわけではありません。打ち合わせ途中でクライアント様からいただいたご意見や疑問で新たな企画が浮かんだり、より一層いいものが出来ることは多々ありますので、その辺りは忌憚なく述べていただいた方が弊社としてもありがたく思います。

なかには「コンセプト」や「意図」を全く考えずに制作する制作会社もいますが、そういった企業に依頼されるのはお勧めできません。弊社にリニューアルいただく案件の幾つかは「作ったのはいいけど・・・」という理由で、作ったはいいが全く検索にかからない、リンクが切れている、評判が悪い・・・などと様々なリニューアルの理由を言われます。

制作会社が全て悪い、というわけではないですが(「このサイトを作ってもこういう結果を招きますよ」、という説明をしなかったのは制作サイドの責任ですが)、WEBサイトは作って終わりではなく、そこから成長させるものです。種を植えて、そこから水を上げたり、肥料を上げたりするのと同じです。
「サイトの構築の終わり」は「サイトの運営・運用の始まり」です。その辺りも視野に入れて、打ち合わせをされることをお勧めしますし、制作会社はそこまで考えてクライアント様に企画提案するべき、と考えています。

これ、書いたときよっぽど行き詰まってストレス抱えてたんだろうなって思う。

スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください